「トンデモ話」ヘレディタリー 継承 茂野翔さんの映画レビュー(感想・評価)
トンデモ話
クリックして本文を読む
◎ 総評
◼︎ 見どころ
・ピーター役の演技が上手い。最終シーンの屋根裏に逃げ込むところで、涎まで垂らして臨場感を演出している。起き抜けに襲われ、鬼気迫った状況の中、何が何だかわからないまま必死に逃げる彼の心情が具体的に表現されている点が良い。
◼︎ 好みではないところ
・監督/脚本が「ミッドサマー」と同じ、アリ・アスターだった。映画の批評家からは非常に高く評価されているようなので、私と相性が悪いだけかもしれないが、面白くない。何よりもタチが悪いのは、面白くなりそうな雰囲気を醸し出しておきながら、全く面白くない点だ。餌を目の前に置かれた後、「美味しそうだろ」と笑顔で言われるも、食べる許可をもらえない犬になった気分。
・カメラワークがねちっこ過ぎる。1.2倍速でも、くどい。
・頭がおかしい女をひたすら見せられて、それをホラーと言い張る神経がホラー。
・祖母がカルト教団の教祖で、ジョーンを含む教団員と共にペイモン(=パイモン)を復活させ、その見返りに富を期待していることは分かったが、これは展開が突然すぎる。わざわざ悪魔が受肉しなくとも、カルト教団を作った時点で富くらい簡単に手に入るのではないかと疑問に感じる。他人が見た夢の話を聞かされて、置いてけぼりになっている気持ちになる。
カルト教団にマジレスするのも意味がないかもしれないが、悪魔召喚という非合理的な手段の先に待っているのが財産というのは、些か考えにくいのではないだろうか...
コメントする