「大好きな趣味が勇気と自信をくれる」500ページの夢の束 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
大好きな趣味が勇気と自信をくれる
試写で拝見しました。
ASD(自閉症)が、実に丁寧に研究され、ダゴダ・ファニングの迫真の演技で描かれていました。
他者とコミュニケーションが取れない、音に過敏ですべてを痛みに感じてしまう、善悪正誤の判断がつかない…etc
さらに加えて、犬のピートが素晴らしい演技で。
かつ、お巡りさんが良かった。
話の軸となる「スター・トレック」に関してですが、最初のシリーズの登場人物が、カークとスポックの2名で、宇宙を旅するSF映画、くらいの知識があれば十分です。
ただ、制作サイドには、スタトレ愛が溢れていました。
宣伝等では、スタトレ本編ではセリフでしか出てこないドクターマッコイの娘の名前を、主人公がすぐ答えるシーンなど、マニアックなその辺が妙にクローズアップされがちでしたが、そこはさほど重要ではありません…
ただ、なぜ「スター・トレック」なのか?については、最後のシーンにつながるので、多くは言えないけれど、すごくリンクしていました。
言いたいこと、伝えたいことを、口や態度で表現できない主人公が、自分自身の内面を出せるのが&できなかったことができるようになるきっかけが、大好きな「スター・トレック」に関することだけ…
というところがね。涙を誘うんですよ。
これ、人見知りして鬱屈してたのが、大好きな趣味や自信を持てた仕事を入り口に、世間との接点を作れた若いころの自分にも重ね合わせてみてしまう部分もありました。
素晴らしい。
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