「二大怪獣 地球最大の“イミフ”決戦」GODZILLA 星を喰う者 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
二大怪獣 地球最大の“イミフ”決戦
鳴り物入りで始まった“アニゴジ”。
3部作の最終章。
何だか作られる度に厳しい声が増えていき、今作は殊更。
見てみて、納得。だって…
もはや怪獣映画ではない。
前作前々作はまだゴジラと闘うハードSFアニメの類いであったものの、それでもない。
こりゃただの宗教映画。
ゴジラ・アースに敗れ、生き残った人々は神にすがり、メトフィエスは“神”を降臨させようとする。
ゴジラを倒せるのは、神だけ。おお、神よ!神よ!
これ、何かの勧誘…?
主人公ハルオもすっかり目的を見失っている。
絶望の淵に立たされた人々のドラマとしてはアリかもしれないが、最後の最後に描きたかったのは、これ…?
登場人物の名や関係図も話もほとんど忘れ、それ所か興味すら薄れ…。
う~ん…。不満や文句しか出ない。
まあそれでも、劇中の神にすがるって訳ではないが、その神が遂に姿を現してから、少~しだけ見れるようになった。
絶対的な破滅、畏怖の名、王なる者、黄金の終焉、
ギドラ!
今作のギドラは、これまで登場したどのギドラでもない。
姿形は見えているのに、機器などでその存在を捉える事は出来ない。
ゴジラに喰らい付いているのに、不思議な事に実態が無いかのようにゴジラは掴む事すら出来ない。
別次元から来た、幻か悪夢か。
ゴジラにとっても、人類や地球にとっても、最大の危機。最大の脅威。
…それはいいのだが、またもや期待すると、肩透かし。
ただギドラはゴジラに喰らい付くだけ。
ファンが見たいがっぷり四つに組んだ大迫力の“ゴジラvsギドラ”は描かれず。
まあ確かに、実態ある者と虚空の存在とじゃそうなるわな…。
一応今作のギドラもある人物に操られ、そして懐かしのあの“声”と“音”!
そこら辺はニヤリとさせられたが、それ以外は…。
ちゅーか、今作のギドラ、すでに多くの方が指摘してる通り、『ウ○○ラセ○ン』のナ○スやん!
それから、あの守護神巨大蛾も登場するも…
精神(?)の中に、シルエットだけ…。
ラストも何だか…。
ハルオのよく分からん精神面が延々描かれる。
メトフィエスの哲学台詞も延々と。
何とかギドラを倒す。ゴジラこそ破滅と救いの“神”のようではあるが…、
ゴジラと人類、人類にとってゴジラとは?…などももっとはっきりと描いて欲しかった。
♪春が来た~ 春が来た~…と、ハルオが自分を取り戻す。
絶望の中にも希望が…みたいな流れになってそう終わるのかと思いきや、突然ハルオは自滅的に再びゴジラに挑む。
言動、心情もイミフ。
作品そのものが迷走、イミフ。
本作は単品の映画としてもビミョーだった。
自分でレビュー書いててもやっぱりよく分からん!
虚淵脚本で期待した“アニゴジ”だったが、3部作全て見て思うと、
結局まあまあ良かったのは最初だけ。どんどんコレジャナイ…いや、コンナハズジャナイ感が。
せっかくアニメでゴジラを作るという斬新で野心的なプロジェクトの筈だったのに、つまりは何をやりたかったの…?
本当に“ゴジラ”である必要あったの…??
この失望感…。
是非ともこれを、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で払拭してくれ!
近大さん、返信ありがとうございます。
いやあ、今回のゴジラばかりは自分も初日に観に行きたいですねえ。どうにか仕事を片付けて有休取れないかと企んでますが望み薄……うん、仮病使うか。
お互いナース並みに首を長くして待ちましょう! その時はまたレビューお待ちしてます。ではでは!
近大さん、お久しぶりです、きびなごです。
あら……あらら……遂に鑑賞されてしまいましたか。
僕も自分の中で納得のいく解釈を考えてはみましたが、ストレートな感想は……ほぼ全く同じです。
実は1954年の第1作と似たテーマに落ち着くんだろうとは思うんですけどね、抑揚にも共感にも乏しい語りのせいでどうも。なんだろ、ちょうど朝礼で校長先生の訓話をボンヤリ聴いてるような感覚ですかね。当時はイマイチの判定2.5で付けましたが、今は「それでも高過ぎたかなあ……」と感じてます。
あとやっぱりあれ、ナ◯スですよね! ◯ース!
もう今月末の『ゴジラ/キング・オブ・ザ・モンスターズ』に期待するしか無いですね。
マイケル・ドハティ監督は、先日のコミコンの質疑応答で「ゴジラは良い奴? 悪い奴?」と訊かれた際、「君は人間社会の道義心を古代の神に当て嵌めようとしてるのかい? 」と答えたそうです。ヤバい人ですよ!(コラ)
どんな映画でも期待し過ぎは禁物だと思ってるんですが、予告の出来や監督のリスペクト度を知るほどに期待値が高まってしまって怖いくらいです。
返信お気になさらず! それではまた!