「主人公の狂気がリアルで怖い」サイコハウス　M.Kotaroさんの映画レビュー（感想・評価）

幼少期に実母から監禁された少女が成人し、その窮地から自分を救い出してくれた弁護士への一途な思いをこじらせてしまい、弁護士一家を破滅させかけるという狂気のスリラー作品。

問題の女性はシッターとして弁護士の自宅に住み込みで働き、邪魔者を容赦なく殺して消し去ってしまうのだが、シッターとしての魅力的な顔と狂気の殺人者としての顔とのギャップがとにかく怖い。笑顔がとてもチャーミングな女性なだけに、一瞬にして眼光鋭い真顔に切り替わっても、それはそれで魅力的なので始末が悪い。

次から次へと人を殺すという点では突拍子もない話だが、思いを募らせてストーカーと化し、身分を偽ってその人に近づいていくという狂気はとてもリアル。

被虐待児で親の愛情を知らずに育った主人公はある意味被害者と言えるので、何だか悲しい気分にもなる不思議な作品。