「笑いはそこそこでも格別の味わいが」また、あなたとブッククラブで 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
笑いはそこそこでも格別の味わいが
20世紀のハリウッドを果敢に生き、そして、生き残った俳優たちが一同に会する。展開は、正直言って予想の範囲内。官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」に影響されて、節々に問題を抱える女性たちの生活が潤い始める様子そのものより、演じる俳優たちの個性比べを堪能しよう。一番現役感があるダイアン・キートンのややトーンを落とした気配り、コメディリリーフとして余裕綽々のキャンディス・バーゲン、持ち前のスローで若干傍迷惑なキャラをここでも踏襲しようとするメアリー・スティーンバージェン、そして、まるでバービー人形アダルト版みたいなルックで弾けまくるジェーン・フォンダ。特に、反戦の闘士からオスカー女優へ、さらにCNN創始者夫人へと時代毎に変身を遂げてきたフォンダの、今現在の有り様には、驚きと共に不思議な郷愁を感じる。そう、これは4人がそれぞれに歩んで来た時間の重みを体感しながら、彼女たちのサバイバルを賞賛すべき1作。笑いはそこそこでも、格別の味わいがあるのだ。
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