英国総督 最後の家のレビュー・感想・評価
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夏休みに
113本目。
中高生が夏休みに観た方がいいと思う。
インド、パキスタン情勢をほとんど知らない自分が恥ずかしい。
池上彰が説明しながらだったら、もっと分かり易い。
正義、損得、ベスト、ベターどれを選ぶかは立場によって違うんだろけど。
この作品は誰が撮ったかに意味があるのかな。
戦争が始まり、2つの核保有国が誕生する。
「歴史は勝者によって記される」という言葉で始まるこの映画は難解です。
歴史は、1つのインド植民地をインドとパキスタンに分離して独立させる
ということです。
勝者は、英国チャーチル首相です。
どう記されたのかは、インド人とパキスタン人が分離独立を望み、
マウントバッテン卿がインドとパキスタンに分離して独立させ、
英国は認めただけで、インドとパキスタンに分離独立には関与せず。
分離独立前後の大虐殺や混乱やその後には無関係で、インドも
パキスタンも英国連邦の構成国家となり、英国の名誉を守ったと
いうことです。
この映画には、勝者によって記された歴史だけでなく、歴史の裏側を
描いているところに鑑賞する価値があります。
英国チャーチル首相が、植民地としてではないが、統一インドという
大国を望まず、統一インドを分割し、相互対立させてインドとパキスタン
に影響力を行使できるようにしました。
英国チャーチル首相は、ムスリム連盟を率いるジンナーとパキスタン建国
するという密約を交わし、統一インドを実現させず、ナチス・ドイツへの
宣戦布告に支持をさせ、パキスタンを独立させても、パキスタンが英国政府
を頼らざる得ないように、国境線を決定しました。
ヒマラヤ西部のカシミール地方の帰属問題は、統治していたハマラジャは
ヒンドゥー教で、住民はイスラム教ということで、ハマラジャが決定する
として先送りされ、現在まで続いています。
インドとパキスタンは、カシミール地方の帰属問題で1947~49年、
1959~62年、1965~66年、1971年に戦争を行いました。
インドとパキスタンは、核実験を行い、核保有国となっています。
1941年12月に英国軍と日本軍との間に開戦した後は、マウントバッテン卿は
東南アジア地域連合軍総司令官に就任し、ビルマの戦いなどで日本軍との戦いの
総指揮を執ったものの、日本軍に敗北し、インド洋からイギリス海軍艦隊が一時的
に撤退するに至りました。
その後、日本軍はビルマから敗走しました。
1960年2月21日、マウントバッテン卿の妻エドウィナは、病死しました。
1979年8月27日、英国政府にとって不都合な歴史の真相を知っている
マウントバッテン卿だけでなく孫までも、アイルランド共和軍(IRA)
がヨットのエンジンに仕掛けた爆弾により、爆殺されました。
マウントバッテン卿の娘パトリシアは、伯爵位を襲爵し、2017年6月13日に
死亡しました。
勝者(英国、米国、中国、ロシア)の思惑により、翻弄されるインドとパキスタン
の歴史を知ることのできる良い映画です。
日本も独立しましたが、勝者(英国、米国、中国、ロシア)の思惑により、
翻弄されている現状を痛感しました。
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