劇場公開日 2018年8月18日

  • 予告編を見る

「アパートの屋上に上がって練習する子供達が印象的」オーケストラ・クラス Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0アパートの屋上に上がって練習する子供達が印象的

2018年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

音楽の基本もおろか、ヴァイオリンを今迄手にした事もない小学生達。
そんな彼らに音楽コンクールに出場出来るように指導する事を目的に臨時音楽教師として雇われたシモン。その主人公シモンと生徒達との1年間の交流の物語が本作の筋書き。

音楽教室での教師と生徒の練習風景描写に加え、主要な数人の生徒達の家族構成等を含めて物語は進行して行くが、全体的に平板で盛り上がりのない演出なので、僅か102分の作品がまるで2時間超えの様な錯覚を起こしてしまったのは私だけだろうか?
しかし、だからと言って本作が、教師や生徒の家族問題を深く掘り下げ過ぎてしまっても話のまとまりが無くなってしまうだろうから、扱っている内容としてはこの程度でも十分だったのだろうと思う。
では本作が何故長く退屈な作品に思えてしまったのか考えてみると、それはきっと出場する為に練習を積んでいるそのコンサートについての説明が映画の中で生きていないので、観客の私達には、登場人物に対する感情移入が出来なかった事が大きな要因だと考える。
人が何かを目指し、夢に向かう為には、何故それらの夢に彼らが向かい合うのかと言うその、目的意識が描かれていないと、観客は置いてきぼりをくらったように感じる為だろう。

物語が進行するうちにシモンと音楽の才能の有る少年アーノルドとの友情話が中心となり、教師と生徒との絆の物語へと昇華していくものの、物語としてはやはり盛り上がりに欠けていた。

音楽の世界で超一流の演奏家として生きる事が難しいシモンは、演奏家としての夢を突き進むのか、それとも後進の育成に生き甲斐を見出すべきか、彼なりに葛藤もする。
全体的にフランス人の特徴なのかはしらないけれど、シモンが生真面目過ぎて、ネクラなキャラである事も映画全体をつまらなくしているのだろうと私は思うのだ!

生徒達に音楽を楽しめと言うシモン自身が一番楽しんでいるように見えない点が今も残念だったと思う!
「ミュージック・オブ・ハート」は観ていてワクワクしたけれどなぁ!
やっぱり映画は明るい作品の方が受けると思うな、だって映画って娯楽でしょ?

貴方ならどう評価した?

ryuu topiann