「滑ろうがなんだろうがお構いなし、なマック・G的作劇で「ベビーシッタ―・ホラー」の流れを作った一作」ザ・ベビーシッター yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
滑ろうがなんだろうがお構いなし、なマック・G的作劇で「ベビーシッタ―・ホラー」の流れを作った一作
ちょっと年上のベビーシッターに心ときめかす思春期の男子の視点を、こちらが気恥ずかしくなるほどに取り入れつつ、突然のホラー展開で観客の浮ついた気分を吹き飛ばす展開。
下手をすれば設定の面白さだけの「出オチ」感が出てしまうし、実際のところ中盤以降の逃走・追跡展開は・血みどろのホームアローンとなり、いろいろ描写に工夫はあれど、展開としてはホラー映画として予想を大幅に超えるものではなくなっていきます。
しかし画面に彩りを添えるのは、滑ろうが何だろうが色々盛り込まないと気が済まない!とでも言いたそうなマック・Gの過剰演出。いちいち必要もなさそうなキャプションを入れてくるところはまだしも、突然コール(ジュダ・ルイス)にいじめっ子に立ち向かえ!と励ますあたり、なんでだよっ!と思わず爆笑。
ベビーシッタ―が登場するホラー、という設定は前年に製作されたオーストラリア映画、『ベター・ウォッチ・アウト』(2016)と極めて類似しているので、果たしてマック・G監督がこの作品をどの程度意識していたのか気になるところ。
ただこの二つの作品は同じホラーといっても展開が全く異なる上、『ベター・ウォッチ・アウト』の方はむしろ既存のホラーの文法の外に出ようとする意欲作なので、観比べてみるといろいろと面白い発見があるかも!
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