「人間の子供」まく子 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の子供
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まだ小さなあなた でも大きくなったら
わたしを愛してくれる
誰にも真似できない あなたのやりかたで
誰よりきれいな目で 「ほんとう」を見ている
みんなと同じ子供 他の誰とも違う子供
笑うことができる子供 泣くことができる子供
人間の子供…
── 新居昭乃 / 『人間の子供』より
誰しも子供のころ感じていた
言葉にできない、とりとめのない感情を
思い起こさせてくれる作品。
新音さん演じる少女、コズエの
純真無垢な問いかけや考え方がとっても哲学的。
コズエはみんなに、なにを〈まいた〉のでしょう?
笑顔、勇気、希望、思い出、幸せ…
森羅万象、普遍的な時の流れを
「永遠は一瞬、一瞬は永遠」と
形容することがあります。
本作『まく子』の物語の世界では
最後にコズエがふりまいた光は
ヒトの人生のなかで、いや地球が存在し続けるなかで
ほんの一瞬の出来事にすぎないでしょう。
しかしその光が、ヒトたちの心の中に種を芽吹かせ
まだ見ぬ、これから生まれてくる
命の積み重ねに組み込まれていく。
個の再生と消滅を繰り返しながら
生命のバトンを繋ぎながら
種は存続していく。
永遠に続くように。そう願いをこめて…
…と、少々発想を広げすぎましたが
わたしにとっては“再生”というテーマと同時に
そんなことの“気づき”でもあるということを
提示してくれた作品でした。
心象風景でしか説明できない、いやできてないか!(笑)
これが今のわたしの精イッパイの感想です(泣)
時間をおいて、また観たい!
2019/03/18、劇場にて鑑賞
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