Noise ノイズのレビュー・感想・評価
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皆んな壊れてる。誰も救われない。
立場を変えれば、皆んなを壊し、誰も救わない街がアキハバラ、なんかなぁ。
松本優作監督、日本製造はアカヘンって思いましたが、これは好き。喰い散らかし方のハンパ無さ、「繋がらない様」と「重なる様」のランダムさが堪らなく好き。現実と言うより実態。メッセージじゃなくてレポート。秋葉原の事件に家族を奪われた人達が集光レンズ。焦点にあるのはヒトのどうしようもない弱さ。ちょっと、何なのこれ。すごく好きかも知れない。完成度は別にしても。
明暗対比の滑り出しの画が好き。街もヒトも二面性を持つ。キャラ紹介の間はズーム多用。昼間の街の明るさを強調。お家に帰ると暗転。なんか好きやなぁ、この分かりやすいデフォルメ画面。
壊れるか耐えるか、ギリギリの所で平衡を保っている家庭が、あんな事件に巻き込まれれば、一気に崩壊する。立ち直れなかった二つの家族。秋葉原に吸い込まれなかった美沙の家庭は、明りを取り戻せるかも知れないって所で話しはブチ切り。
Noiseは不要な信号。要らないモノって何なんだろう。タイトルの意味を考え出すとアタマ混乱してくる。人間なんて皆んなノイズみたいなもんだって事?若しくは、誰もがノイズの中で生きているって言いたいのか。この思わせぶりなタイトルが気になるです。
前半は見れましたが、後半は正直きつい。 構成も分かりづらい。 ラス...
前半は見れましたが、後半は正直きつい。
構成も分かりづらい。
ラストの長回しもちょっと理解できない状況。
色々と惜しいですが、いい所も多々あるので、これからの作品に期待したいです。
挑戦的且つ挑発的で青臭い
やりたいことがたくさんあるのは分かったし、伝えたいことがあるのも分かった。
大量殺人に母親が巻き込まれ翻弄される父親と上手くいかない少女、ロクでもない母親に巻き込まれるロクな感性のない息子、若さの過ちに気づかないまま若さを消費する少女。途方も無い重いトピックを選び、それのモティーフをはっきり示したところも非常に勇気ある(勇気という言葉が正しいかも分からない)決断であったろう。
しかし、映像・構成何もかもがその重さを全てひっくり返すほど、観た後空っぽになった。とにかく出てくる人物全員が若くてエネルギーはたくさんあるのに、どうしようもできないことだけははっきり分かるが、その葛藤がダイレクトに伝わってこない。何を見たんだっけ?それが最初に出てきた感想だった。
私の感受性の問題なのか?と悩ませてしまうのが、どうしようもない重いテーマのズルいところだが、何日か考えた結果、役者の顔が私には物足りなかったからだと思い至った。
もっと若さあふれる顔、苦しい顔、どうしようもなく怒っている顔が見たかった。
そのパワーがもっとあってほしかった。私にはこの映像では足りなかった。
消費される若さ、「モノ」は大量にあるのに何も手に入れられないやるせなさ、東京・秋葉原にぴったりだ。
するともっともっと、あの挿入歌と編集と生きてきた気がする。儚さを表現できるのは色とテーマだけじゃない。
とはいえ、若い監督さん。次の映像もなんだかんだで見ちゃうと思います。
素面で見る修行
アルコールでも煽らないと正視できないヒリヒリ感がこれでもかと襲いかかってくる、絶望感の“お節の重箱”又は“お子様ランチ”のような作品である。決して何も解決していない悲壮感がラストまで続き、そのクライマックスの爆発があるかと思いきや、そこを阻止する偶然の巡り合わせ、否、お互いのストーリーの交差が、正にあの秋葉原の交差点に於いて回避されるのである。メタファーとしての“交差点”を上手く使った構成である。
他のコメントでも明らかだが、今作品は正に好き嫌いがハッキリする出来なのではないだろうか。それは端的に性格に現わされることであろう。内省的で思い詰める、逆にコミュ力の高い根っからの明るさ等、極端な例ではあるが割合的にどちらの針が傾いているかに拠ってである。そもそもの作品の作りが作品中に用いられている『十九歳の地図』という小説が骨子の一つであるので、理不尽の表現を畳み掛ける群像劇は“いたたまれなさ”という苦い薬をどうにも飲み込めない、又は現実逃避を許さないリアリティの追い込み具合に唯々茫然自失でしか自分を置いておくしかない虚無感に陥るしかないのである。
そんな“リアル残酷ショー”の訴えたいテーマは何だろうか。勿論監督は問いかけるだけである。『今、こんな底辺なことが起こっているんですよ、皆さんどうですか?』といった具合に。日本が新自由主義に突入してから、もう後戻り出来ない処まで進んでいる。こうして事件が起きること、起きないこと、それは単に運の巡り合わせでしか解決しないことなのか、それとも人間の叡智がそこに介在できる隙間があるのか、“絶望”という毎日の中で葛藤すること自体が生きる意義なのかという思いに苛まれる、正に現代のホラーなのかもしれない今作品である。
アルコールでも煽らないと正視できないヒリヒリ感がこれでもかと襲いかかってくる、絶望感の“お節の重箱”又は“お子様ランチ”のような作品である。決して何も解決していない悲壮感がラストまで続き、そのクライマックスの爆発があるかと思いきや、そこを阻止する偶然の巡り合わせ、否、お互いのストーリーの交差が、正にあの秋葉原の交差点に於いて回避されるのである。メタファーとしての“交差点”を上手く使った構成である。
他のコメントでも明らかだが、今作品は正に好き嫌いがハッキリする出来なのではないだろうか。それは端的に性格に現わされることであろう。内省的で思い詰める、逆にコミュ力の高い根っからの明るさ等、極端な例ではあるが割合的にどちらの針が傾いているかに拠ってである。そもそもの作品の作りが作品中に用いられている『十九歳の地図』という小説が骨子の一つであるので、理不尽の表現を畳み掛ける群像劇は“いたたまれなさ”という苦い薬をどうにも飲み込めない、又は現実逃避を許さないリアリティの追い込み具合に唯々茫然自失でしか自分を置いておくしかない虚無感に陥るしかないのである。
そんな“リアル残酷ショー”の訴えたいテーマは何だろうか。勿論監督は問いかけるだけである。『今、こんな底辺なことが起こっているんですよ、皆さんどうですか?』といった具合に。日本が新自由主義に突入してから、もう後戻り出来ない処まで進んでいる。こうして事件が起きること、起きないこと、それは単に運の巡り合わせでしか解決しないことなのか、それとも人間の叡智がそこに介在できる隙間があるのか、“絶望”という毎日の中で葛藤すること自体が生きる意義なのかという思いに苛まれる、正に現代のホラーなのかもしれない今作品である。
そして、今作品に低評価をしているレビュアーに嫌がらせ電話を掛けたい衝動を抑えるのに必死な自分もいたりする・・・
秋葉原を背景に『闇』が溢れだす
秋葉原事件をからめながら現代の闇を様々な人物により様々に描き出している作品。
人物ごとにストーリーがあるが巧みにシンクロされていると感じた。若い監督ということも影響しているのか音楽も現代風。映像とは見事にマッチしている。
登場人物の彼らは日本の社会を構成しているピースの一部であり、誰しもが彼らになりうる。
人間の苦悩の暴走を止められるのはモノなのか芸術なのかヒトなのか社会なのか…どこかにその術が転がっていて欲しい。
Can you save me
全員似て非なる者で、全然違うけどどこか似ている者同士。
秋葉原連続殺傷事件を元に、生きづらくてたまらない人々に焦点を当てて切り貼りした作品。
被害者遺族の耐え難い理不尽さと悲しみと死んだ目、加害者の追い詰められ方と行き場の無い怒りと発散方法、家族への嫌悪感と他者への縋りと行き着く先。
メインの三人とその周りの人々の苦しさがずっと映し出され、だいぶしんどいシーンも多い。
絡み合うことのない相反する人たちが間接的にすれ違い、お互いよりかかっているように感じた。
自分にとってはモブキャラの街中で一瞬隣り合う人々に、背景と抱えるものがあることを示してくれる描き方はどんな作品でも好き。
他者から見た自分がモブであることと共に意識していきたい。
美沙の父親、里恵の父親、健の母親の対比が良い。
他の登場人物も全部合わせて、それぞれがそれぞれに無意識のうちに救いを求めていて、そこでまた少しつながる関係にグッときた。
ひどい人も多くて、それでも一緒にご飯を食べる所がとても好きだった。レトルトカレーは定番だよね。
美沙が倒れ込んだ先にあるものとそばに立つ人を見たときはしびれた。
脇役に魅力のある人が多い。
特に健の職場のドルオタおじさんとリーダーおじさん。マネージャーの高橋と里恵の父も良かった。アイドルメンバーも。全員良いな…。
リーダーおじさんの話にひたすら頭の動きで答える健が可愛い。
話し下手な彼が一度まくしたてる時の苦しさ。
生き辛い人、生きてる人、亡くなった人、殺そうとする人、その周り一人一人に寄り添う姿勢と救いを感じた。
許しもせず突き放しもしない距離感。
自分を殺すか他者を殺すかの紙一重の差をヒリヒリと実感する。
そんな分岐路に立ちたくはないけど、いつの間にか目の前に現れてることだってある。
秋葉原という街はかなり身近で、日常の風景がスクリーンにずっと映し出される不思議な感覚になり、この映画をより近くに感じる。
私自身の弱さも相まって、登場人物それぞれに少しずつ自分を重ねて観ていた。まあ比べものにならないけど。
弱者だと思っていたけど下には下がいるもんだな、なんてひどく傲慢なことが頭をよぎってしまう自分が嫌になる。
なんでかわからないけどわりとずっと涙が流れててどうしようもなかった。生きたいな。
Can you save me?のフレーズが重い。
Music by banvoxとのことで、Save Meと無難にWatch Me辺りが流れるかなと思っていたらまさかのLaserが使われていてびっくりした。
懐かしい。Cookieとか大好きで音源手に入れてからずっと聴いていたな、とか高校生の頃の生活や家庭を思い出し重ねてまた泣いてた。
音数の多いbanvoxの曲は秋葉原によく似合うなと前から思っていたので嬉しい。
時系列をいじった演出が面白い。もう一度観て整理したい。
自分次第の課題
無差別殺人事件で母親をなくした地下アイドル、寝たきりの祖父を抱えた父子家庭の女子高生、金にだらしなく子供からも無心する母親を持った運送会社アルバイターの話。
秋葉原を舞台に若者の鬱屈した姿を描いた作品ではあるけれど、若者とはいえバックポーンや信念のみえる描写がみえてこない為イマイチ響かず。まあそれがリアリティなのかも知れないけれど。
結局ダラダラとそれぞれがハマっていく様子をみせられているだけで、感じたことは何か言いたいならとりあえず自立しろと。
冗長だし非常に長く感じた。
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