夜明けのレビュー・感想・評価
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監督は、ボヘミアンラプソディを見習え
何が言いたいのか、何を表現したいのか、監督はどこにいるのか、さっぱり分からなくて、思わせぶりな閉塞作。金を払って楽しみに来ている観客に、「忖度」を強いる感じ。その煮え切らない空気は、ラストシーンで決定的に。
師匠は、客が来ない映像を創りながら悩みに悩んで、大監督になったことを考えると、30歳の弱冠にはそのレベルを求めるのは酷かも知れないけれど。
たまたま、横でやっているボヘミアンが大入りの状況を見るにつけ、ガラガラの客席で監督は臥薪嘗胆してもらいたい。
俳優らの、緊張感をつなぎ止めようという演技は良かったけれども。
柳楽優弥に光
面白い設定のドラマだった。柳楽優弥はいるだけで不穏な破壊衝動を漂わせるのでこの役にはぴったり。女の子連れ出すだけで何かありそうだと思ってしまう。
確かに主役は柳楽優弥だけど、ウェイトとしてはもう少し木工所サイドからこの闖入者を覗き見る感じで見てみたかったかも。
柳楽優弥は常に闇に向かって走っていきそうだけど、光に照らされるのはよかった。
夜明けだったのか?
共感できる部分もあるドラマだが世間が狭すぎる
優しさよりも強いものが弱いものを支配しようとする感を上手く醸し出している
しかし、彼の将来はどうなるのだろうか?
ふっ切れた様に見えない夜明け
(No.6)
再生の映画のつもり
やり直しの様を描いている。が、やり直せるのは、主人の真一だけで、面倒を見た哲郎は、結局8年前から止まったままでおきざり感満載。
冒頭のシーンは、画面が暗過ぎて何をしているのか分からず、朝焼けの中、釣りに出かけてきた哲郎が川べりを見ながら走りだすシーンで、主人公の真一は川べりに居たのかと判明。
また、真一は所在無さげにたたずんだり、身の置き所が無いようなシーンが多く、彼のキャラクターを表していたのかもしれないが、見ている側からするともどかしかしく、曖昧でどっちに想像したらいいんだか、はっきりしない。監督の独り善がり感が多いと思う。
自分を映し出す鏡だった。そこにはどんな自分が見えるのか? 全ての登...
自分を映し出す鏡だった。そこにはどんな自分が見えるのか?
全ての登場人物のそれぞれの物語、その微妙な様を見事に表す間がもどかしくもリアル。
どうしてそんな態度なの?答えが見え隠れしながら互いの距離が縮まったり離れたり。
夜明け、抜け出すところから始まる物語。
自分はどうしたいか?もう一度自分に確認した。
「夜明け」の意味を、ずっとかみしめている。
新宿ピカデリーにて舞台挨拶あり。
訳ありそうな青年と、彼をかくまう初老。二人をとりまく人たちを含めて、誰目線でこの物語に入っていくか。そこで感想が異なってくるだろう。
ロケ地は千葉のようで、東から昇ってくる太陽を考えれば、ベストチョイスだと思った。映画の中でも、ようやく明けてきた朝の陽ざしが横顔に照らされる場面が出てくる。タイトルのとおり、まだ若い感情や、未熟な人格や、これからの新しい人生や、そんなものがうまく投影されているように感じた。
この映画を観終えた感想はそれぞれあるはずで、それだけ余白を残したラストであった。監督は、「共感できるところもあるでしょうが、違和感も感じるでしょう、それを大事にしてください」と言っていた。そうなのだ、立場が変われば見方も当然変わってくる。人がこだわることが不思議に思えたり、またはしないことにじれったくなったり。そういうことに、ただ反発を覚えるだけでなく、なぜその人がそう言うのかそうするのか、考えてあげることって大切だと思う。つまり、それが違和感を大事にしてみることだ。違っていて当たり前じゃないか。それは、観る側の過ごしてきた人生によるのだから。
好き嫌いが別れる作品ですが、不思議と共感できた。
私は本来、説明不足な作品と、ハッピーエンドにならない作品はとても苦手なのですが……。
その全てに当てはまるこの作品が 、不思議と、妙に共感できました。
何故だろう?
人は皆、なにがしかの「過去の十字架」を背負って、もがきながら生きています。
自分もそうです。
だからこそ、多くを語らなくとも共感できます。
ヒシヒシと心に伝わって来ます。
誤解を承知で、失礼な書き方をすることをお許し願いたいのですが、楽天的な人や、脳天気な人が見ても、只の駄作と感じてしまうかも知れない作品だと思います。
決して、楽天的価値観を否定したり、善し悪しの判断をする意図もありませんので、ご理解頂ければ幸いです。
全てを描かず余白のある演出。 「こうだったのかな?」 「自分だった...
全てを描かず余白のある演出。
「こうだったのかな?」
「自分だったらこうしないな。」
「ああ、あの人の気持ちわかるな。」
そう思いながら、自分だったらどうするのかを考えさせられた。
------以下ネタバレ含む------
私は名前を偽ってると分かった後、
工場の人たちが「怪しいと思った」等掌返すあたりが、
閉鎖的な場所での悪いところだなぁと少し悔しくもなった。
(もちろん温かく迎えるところもあるし、閉鎖的な場所じゃなくても似たような発言はあるが)
その後は描かれていないけど、木工所の人たちが「けどいいやつだった」と温かく迎えてくれたらいいなと思った。
監獄
釣りに出かけた川岸で倒れていた青年を助け連れて帰った年配の哲郎と、そこに居候し哲郎の営む木工所を手伝い始める青年シンイチの話。
哲郎は8年前に嫁と息子を交通事故で失っており、シンイチは明らかに偽名で自分のことを多くは語らず。共に腹に何かを抱えている状況から交流して行くストーリー。
居心地良かったのかなとも感じるところはあるけれど、他の土地ならまだしもこの地に残った理由が良く判らないし、名前や背格好だけで息子とダブらせてそこまで入れ込む気持ちが判らない。
二人の間では変わったものもあるけれど、それ以外では変化という程のものはみてとれず、自分には響かなかった。
「是枝監督、西川監督の愛弟子」は通用しない。
広瀬監督の2作品目においては。「是枝監督、西川監督の愛弟子」は通用しない。柳樂優弥さんは俳優としての武器は「眼力」。小林薫さんは。『ふぞろいの林檎たち』の武骨であり決して器用でない中年男の印象。このイメージ(枠)から突出していない。
この不器用な二人の男が一つの屋根の下で生活することになる。この二人の役柄の既視感が否めない。
柳樂さんの表情の喜怒哀楽の表情がややはっきりとしない。そこに彼の演技としての物足りなさを感じる。ストーリーに広がりがなく、芦沢光としての柳樂さんも観たかった。
少し冒険して、芦沢家の家族はどんなものかインサートしても良かったのではないだろうか。柳樂優弥という俳優の「意外な一面」を監督が引き出せたら、面白くなるのに。
居酒屋での店長と店員のやりとりを、シンイチは唯無言で見ているだけ。彼もアルバイトの時、似たような経験をしたのではないだろうか。その部分は描かれてはいない。
ラスト、自分の息子のように慕う哲郎の所を飛び出したシンイチ。踏切での電車待ちの時、木工所の職場の音が聞こえていた。昔の悲しい経験、記憶を抱える哲郎のことを思い、彼の所へ。という作品なのかなぁ?出演者の演技している表情、仕草をもうすこし判るように映してくれたら。
最初、シンイチの自殺未遂の近くに「花束」があったが、その意味するものが判らなかった。誰への「花束」だったのか。自分が死に追いやった店長のためか。
出演者の皆様、お疲れ様でした。
良かったと思えるところが、ここまで見つからない映画も珍しい。と言う意味では価値あるかもしれない。いや、やっぱ無いわ。ラストはポジティブなんでしょうが、流石に、観客のイマジネーション要求し過ぎ。そもそも、あれだけの陰惨ネガティヴメンタル男が、夜明けの海を眺めたら変われるのか?これ、アカン。
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1/22追記
一つの理由で死を選ぶ人は少ないと言う説を信じています。店長の死が自殺への臨界を超えさせる出来事であったとしても、それが自殺に駆ったものだとすれば、事件のあったその地で暮らすと言う選択は無く、やはり「逃げる」のではないでしょうか。「申し訳ないから死んでお詫びを」、ってのなら再度自殺を図ろうとするか。
哲郎の保護を受け容れて同居するのは、他に行き場所が無いからなのでしょうが、一旦自殺を図った人間が、特に懺悔や後悔の跡も見せずに、惰性で他人と同居なんてできるもんなのかとも思います。
結局、光(シンイチ)の内心表現が決定的に乏しいままに、同居から木工所の見習い生活へ移行します。それが、さも当たり前に進んで行ってしまうところに疑問を感じました。
「秘密を抱えて逃げて来た男」と「"愛するもの"を取り戻したい男」の同居生活、と言う状況を作りたかったのだと思います。が、そこへ持って行くシナリオが、合理的な理解の範囲を超えてる、って思います。
ラストも無責任。戻ったところで、歓迎されるのか、戻って光はどんな言動を取るのか、宏美は光を受け容れるのか、などなど。全く想像が付かないのです。肝心かなめの光の内心の表現が、不足しているから。何で脚本で、どうにかしないのかなぁ、役者任せにするかなぁ、って思う。
夜が空ける前
少し去るタイミングを間違えてると思った。
結婚式で妻でもなく、娘でもなく、新入社員を紹介する次点で結婚させても上手くいかないよ。
それよりは、恨まれても一緒にいるべきだと思う。
急に出ていったら普通おかしいと思うでしょ。ひっぱって、ひっぱってあのラストは残念だったな・・・
色のない日常と朝焼け
主役のお二人が切ない。
互いに心にキズがあって互いに必要なのに、お互いを思いやってるのがせつないなぁと。
若者側は、目標が見つからない虚無感。
大人側は、不器用な親父感が良かったです。
あとは、地元千葉県!ということで、すぐそこの通りとか出てきて嬉しかった。
気になったのは、手持ちカメラ。画面が揺れて見にくい。緊迫感とか必要ないのになぜ??と思ってしまう。
ドラマチックと言えないほど、日常的な話なので、感情移入しやすいと思う反面、退屈な感じもあります。
千葉の田舎の冬という色が無い世界と、朝焼けのコントラストは良かったです。
あとはラストシーンですね。
ん?これで終わり?
あとは観た人に任せます。的な。
好みが別れるところです。
追記、
翌日にじわじわ来たので追記させていただきます。
柳楽優弥が演じた青年について考えていました。
先日の成人式の日のクリープハイプのコラムで「挫折さえ出来ず苦しむ…」という言葉が引っかかっていましたが、この若者はまさにこれかと。挫折するためには夢や目標が必要なので、挫折することさえできないという人も多いと思います。そんな虚無感がよく分かり、柳楽優弥さんの演技が翌日にじわじわ来ました。
しずかにガツンとくる
「過去に何があって、これからどうなるのだろう」
監督のオリジナル脚本だけあって、ずっとそんな思いを抱きながらストーリーを追う。
徐々に明らかになるそれぞれの過去。
次第に、やるせない気持ちと切ない気持ちが高まる。
生きるって結構大変だ。意味なんかないと言っても簡単には捨てきれない命。
何かの意味の為に生きるのではなく、生きていること自体に意味があるのかもしれない。
柳楽優弥は、朝ドラの雰囲気と打って変わり、『誰も知らない』の少年の面影を残し、何かを信じる気持ちと信じ切れない気持ちに揺れ動く繊細な演技だ。
自分の負の感情を表し、何かをかなぐり捨てることが出来たとき、人は初めて前に進める。
それを新たな夜明けと呼べるのかもしれない。暗い夜も、いつかは明ける。
この映画から、苦しみを抱えて生きる意味、家族とは?というテーマを投げ掛けられた。
しかし、やや分かりずらいシーンがいくつかあり、登場人物達の過去もあまり詳しく語られないため、どっぷり感情移入し切れない部分があった。
長めのシーンを削り、過去の描写が増えれば、今の苦しみがより理解でき、更に共感が増すような気がする。
エンタメに寄らず、ドキュメンタリー的手法で人間の本質に迫ろうとする新しい監督の今後の作品が楽しみだ。
しんいち
小林薫の助けた青年が
名乗った嘘の名前と
亡くなった息子の名前が一緒だった事から
変な情が生まれてしまい
家に住まわすが...
最初はいい子そうだったが
色々やらかしてて
またその理由がヒドイ
クズ人間でした。
あのまま溺れていれば良かったのに...
結果
振り回されてしまった
小林薫と周りの人達が不憫でした。
戻る場所
夜明けに自ら命を断とうとし、そして、夜明けに生きて行こうと決心をする。
人は、深く傷つき、深く傷つけた場所に一度は戻らないと、本当の意味で、一歩を踏み出せないのかもしれない。
どんな葛藤があろうと、
おじけづこうと、
寄り道をしようと、
立ち止まろうと、
悲しかろうと、
苦しかろうと、
一番繋がりのある場所に立ち戻る。
夜は必ず明ける。
そして、朝日は戻るべき行先を照らす。
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