ハナレイ・ベイのレビュー・感想・評価
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短編小説らしさのある映画
村上春樹原作小説は未読。
ハワイにて鮫に襲われ息子を亡くしたシングルマザーが、息子の追悼名目で命日の日にはハワイに何度も行くうちに、、、
観終わって思う事は、短編小説らしさを活かし内容も下手に盛る事なく、またミステリアスに映画化したんだろうな〜と感心は出来た。
この御時世ある程度お金も掛け海外ロケ映画を作ろうものなら、収益の事も考えてしまい小説らしさが普通は無くなるもの。
短編小説を貫いた感は褒めたい。
悪くは無い内容。描写も美しい。
しかし、村上春樹の原作で無ければ海外ロケのこんな映画化は実現しなかっただろうなさえ思ってしまった。
不満を言わせて頂ければ、母親の心情描写を映画の面白さとしている事に対し、それと相成る息子の描写が最悪。
これじゃ普通の親なら毎年ハワイには行かないよ。
あと、ハワイの砂にまみれた吉田羊が観たかった。
足元だけじゃねぇ・・・
短編小説らしい内容と綺麗なハワイの描写を観たい方はどうぞ。
コーラをこぼした
川口市では、駅前のアリオでしか上演してないので封切の日に見に行った。
ダイエットコークを買ったのですが、全てこぼした。
もったいない。
映画では、葬儀のシーンに感動した、真言宗の理趣経が流れていた、ふつう真言宗では木魚を叩かないのに理趣経を木魚で演奏していた。
主人公は息子さんのことで10年も悩みます。
お坊さんは、そうならないように葬儀をするのですが、最近になって、一人息子さんを亡くしたお母さんってこんなものかなあと思うようになった。
息子の成長するにつけて、亡くなった旦那さんににてくる。
息子の部屋に泊まっていた彼女のパンツを洗って息子に渡すのですが、そのとき息子の嫁という感じで、新しい家族っていう喜びがあったのですが、息子に「もう来ない」といわれてしまう。
息子だけがたよりのはずだったのだが、ここで裏切られてしまう。
その、一人息子さんが亡くなったのだから、やっぱり、癒されるのに10年かかっても、しょうが無いですね。
2月にDVDが発売されるのが楽しみですね。
美しい映画
吉田羊は、なんでもこなしてしまうと言うか生活感を感じないと言うか、何故か苦手な女優さん。
それで、観るのを躊躇してましたが、原作村上春樹、舞台が海、母子の話ということで気になっていた。結果、観て良かった。
原作に忠実でいて、更に演出されたエピソードもあり、それが物語をより深めていて、監督さんとてもセンス良いと思った。
特に、吉田羊がカセットテープを聴くシーン!!あの曲が流れた時、あれ?なんだっけこの曲、めちゃ懐かしい!と、胸がぞわぞわした。若かったころ、私も好きでよく聴いてた曲。あの頃の思い出が徐々に蘇えり、映画の中では、この曲を聴きながら海へ向かう息子の笑顔とハワイの青空。この夫婦も、若かりし頃よく聴いたのかもしれない。問題があろうとも、親子は影響を与え合う。吉田羊の目からは涙が溢れていた。そして私も。これはたまらないと思った。
人生には、酷いハプニングやら後悔やらあるけど、生きるって、そういうことの繰り返し。でも、希望を見つけることもできる。
佐野玲於が出演してるということで話題だったのかも知れないけど、私はよく分からなくて、でも好演してたと思います。だけど目を引いたのは虹郎君。可愛いしスペック高いですね〜。UA子育て頑張ったんだな〜とか思ったり(笑)
ジャップは俺らが守ってやってるんだ!このボケ!
息子を亡くしたサチの喪失感。そして10年間の時を経て、生前のタカシと同じ年代の青年と知り合い、改めて失ったモノの大きさを知り、再生への道を歩みだす。と、筋を書いてみると、やはり短編集の一編なんだと思うのだが、その中には死生観だとか、現代のアメリカ人の日本人に対する上から目線だとか、考えさせられるポイントが印象的だった。
映像だと、真っ青な空の下でサーフィンするところが爽やかに映っていましたが、ブルーシートを捲りながらスケボーする光景の方が楽しそうに感じました。紺碧の空、海なんて日本じゃ見られそうにもない。こんな鮮やかな色の下では喪失感に浸ることもできず、親子の間で口論が絶えないところからみると、サチは息子の死を受け入れられなかったんじゃないだろうか。特に検死官の「怒りと憎しみの中で死んだ兵士に比べれば、自然の流れの中で死んだ」という言葉に癒されたような表情もあった。また、肉親の死は時が解決してくれると思うのですが、サチの心はハナレイ・ベイで過ごす限り、時が止まったようにも感じとれました。
原作はもちろん読んでないし、恥ずかしながら村上春樹作品だってひとつも読んだことがない。だから、全体が文学的な風景の中で、突如として登場した元マリーンの男が村上春樹の思想の断片のように感じられたのです。岩国にも海兵隊として駐留していたことのあるその暴力男は「日本は俺たちアメリカ人が守ってやってるんだ」と吐き捨てる。今でも蔓延るアメリカ人の日本人ヘイト。日本人はジャップであり、イエローモンキーであり、真珠湾に奇襲をかけた野蛮人であるのだ。「俺たちアメリカ人が必死で戦ってるのに、呑気にサーフィンなんぞしやがって!(この台詞は想像です)」と。それほど強く印象に残りました・・・
そして片足の幽霊の話も強烈でした。幽霊であっても会いたい親心。吉田羊の振り返るラストショットが爽やかでした。また、木の根っこを叩き蹴飛ばすシーンもいい。写真と頑なに受け取り拒否していた手形によってようやく涙が出てきたサチ。彼女がカウアイ島に受け入れられたい表現なのだと感じたのですが、どっちなんでしょう・・・
吉田羊、ミセルね
気がついたらズシンと来てた。というのが最初の感想。その辺は村上春樹原作の味なのかな。セリフが極端に少なくて、ひたすら主人公の押さえ込まれた虚無感やら葛藤やらが、無表情に映し出される。ジャンルは違うが、ハードボイルドな雰囲気だ。
物語は、ハナレイベイでのサーフィン中にサメに足を食われて命を落とした息子。母子家庭で一緒に暮らしていたが、実はあまり折り合いは良くなかった。彼女は毎年、息子が亡くなった時期にハナレイベイを訪れ、浜辺に椅子を置いて、本を読み続けていた。
大半が一人芝居で、吉田羊が20歳過ぎの子供を亡くした母親を、演じ切った。青い海と空に、そこで若くして亡くなった息子の足跡。現実の受け入れ方がよくわからず、さまよう姿が、痛ましく、たくましい。
映画として面白いかというと、少し疑問符は付くが、小説の雰囲気というか余韻は、上手く再現されていたと思う。観て良かったと思う。
難しかった
原作を読まずに見ました。
文学的な部分が強いのか、私には少し物足りなさを感じました。
作品として、映像の雰囲気の良さや、親の感情を自分自身でも上手く理解出来ず、どうしていいのか分からないモヤモヤ感などは、凄く感じる事が出来た。
ただ月日の流れを感じないと分かりにくい映画なのに、月日の流れを感じにくくかった。
もう一度観たい?って聞かれると、はいとはならないかなって感じました。
ちょいネタバレ
原作村上春樹
綺麗で静かで泣けました
主人公の吉田羊さんもだけど、だれかの死をまとった登場人物が何人もでてくる
ハワイ(アメリカ)が舞台なのと、村上春樹なので、戦争での死(朝鮮戦争、イラク戦争)、銃で撃たれて殉職した警官が、「日常」として出てくる
日本もこうなっちゃうのかなあなんてぼんやりあたまに浮かんでしまう
銃は無いと思うけど、戦争は危うい
若者たちはそんなこと無関係にキラキラしていた
虹郎くん綺麗
息子役の俳優さん サーファー設定とはいえ筋肉ムキムキすぎない?と思っていたら、ジェネレーションズ…の佐野さんという人だそうです
やっぱりEXILE系は全くわからん
でもこれで覚えました
帰ったら原作を読み直そう
ワンシーンワンシーンがすごく長かった。最初から最後の手前まで雰囲気...
ワンシーンワンシーンがすごく長かった。最初から最後の手前まで雰囲気も画面も全てが暗い。なんだかナラタージュと似ていた。意図がわからないシーンがいくつかあり、ひたすら難しかった。カメラの工夫と音楽の使い方をとても工夫されていて、自分がそこにいるような感覚に陥る場面がある。ざっくり言えば、これは雰囲気を観る映画だと思います。
カウワイ島に行ってみたいなー
なんだか、ゆっくりして、のんびりして、静かな映画だった。そもそも感想が難しいんだけども、面白かったと思う。勢いで、そのまま原作も読んでみたけど、そのまま忠実に映画にしたんだなーと原作も映画もいい作品だなと思いました。
吉田羊とハナレイの風景が素晴らしい
映画のために、原作には無いできごとが様々に足されいたものの、どれもうるさすぎず、映画ならではの感動をもたらしてくれる良い要素になっていました。日本人男性の役者たちは、演技が大根だったり顔が濃すぎたりと変にひっかかるところが多く、マイナス0.5ポイント…
山のVision、海のハナレイ・ベイ
何となく綺麗なハワイの風景がみたいなと思ってこの映画を見ることにしました。
今年の6月頃にVisionという映画が公開されましたが、感覚に訴えかける感じが何となく似ているかな。結構無音のところが多くダイナミックレンジが広い映画だと思います。
ただストーリー的にははっきりとした起承転結みたいなものは無く、ただひたすら淡々と進む感じです。
ブルーシートサーフィンのところはやらないと言っておきながら結局やるんかいって感じでした。しかも最後のほうは思いっきりカメラ目線だし。
50回目のファーストキスに出てきたレストランとこの映画で出てきたレストランはもしかしたら同じ?
吉田羊はピアノと英語が上手いよね。感心しました。
子宮感覚で時間が流れる
不思議な作品である。吉田羊とカウアイ警察署の警官の妻以外は、出演者も原作者も監督もすべて男だが、何故か映画を観ている間ずっと、主人公と息子が、彼の産まれてきた子宮を媒体として繋がり続けているような感覚を覚えた。
吉田羊が演じた主人公サチはあまり母性を感じない表情で、母性よりも知性が勝っているように見えるし、そういう生き方をしているように見える。読んでいる英文の本は表紙にBlack Catと書かれていたから、おそらくエドガー・アラン・ポーの「黒猫」だと思うが、その辺りも知性的な彼女の性格を表現している気がする。
淡々と月日が過ぎていく映画だが、印象的な台詞はいくつかある。中でも村上虹郎の「わかっていないのはおばさんの方だよ」という台詞は、知性で物を考えようとする彼女に対して、人と人とはそういうものじゃないと異を唱えているように聞こえる。
知人の女性から子供について聞いたことだが、いつでもママのお腹に戻っておいでと思うそうである。男にはわからないはずのそんな感情が、この映画には底流となって流れているように感じる。生まれた大地、血のつながり、時の流れ、そして宇宙と、主人公の子宮から世界が広がるような、または主人公の子宮の中に宇宙のすべてがあるような、そんな気にさせる作品であった。
吉田羊に尽きる
吉田羊の圧倒的な存在感と見事な演技力に魅了される。ハワイの美しい海と風景も素晴らしく何とも言えない魅力に引き込まれた。感性で感じたい作品。
話を聞いて、服を褒めて、美味しい食事を!
2018-215
ハワイと羊
日本の映画は陰湿なので避けてきたのですが、これはとてもよかった。ハワイの空気と吉田羊のためか。すべてが分かりすぎるほど分かるプロットで、ふつうならばお涙ちょうだいの凡作になるところを救っていたのが、やはりハワイの空気と吉田羊だった。若い俳優たちの演技も脱力感があって、とてもよかった。でも、天気の良い昼間なのに、日曜日なのに、どうして観客が少なかったのか。10名足らずしかいなかった。それだけが悲しい。
吉田羊のますます虜に
評価:3.8
村上作品の独特な空気感や、セリフ運びを重視しない作りが逆によい。
吉田羊が朝のNHKの番組でゲストに出た際に、魂を削って作った、ハワイ撮影中に楽しい思い出は何一つ無いと言い放った事で見たくなった作品。
その言葉通り、見る側が痛みをも感じる演技でした。
監督も渾身の一作のようでしたが、イケメン俳優を使っての集客を見越しての演出やオマケが見え隠れし、せっかくの世界観が商業映画だけの作品に見えてしまったのが残念。
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