「ずっと見ていられる」ハナレイ・ベイ asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと見ていられる
東京奇譚集に収録されている短編だというのだけれど、まったく記憶にない。
村上春樹の作品は、どんなささやかな短文でさえも読みたがって生きて来たので読んでないわけはないしもちろんこの短編集は既読。
家の容量のせいで文庫しか買い置かないが、映画視聴後に本棚を探して見てもなかったので、買わなかったんだなあと思った。
村上春樹氏の作品は、文章に漂うのが好きで
適度な温度の風呂か いい感じに温まった布団の中でぐずぐずと時を過ごすが如く読むのが好きなんだけど、この映画もなぜかそういう感じが受け継がれていて ずっと見ていられるのだ。
ぐっと惹きつけられる何かがあり それを吉田羊がとても好演している。
この映画のひとつ目の感想のポイントはカメラワーク。
非常に新鮮で大胆なカットが多い。
これを専門家はどう捉えるのかは知らないが、とても熱心に丁寧に そして何より抜群のセンスで切り取られた映像が、絶妙のタイミングで連なる。
前々から羊さんの洋服のセンスがいい事(スタイリストさんの腕が良い?)に注目していたが、今回もそれに漏れず。
羊さんの独特の台詞回しが原作を思い出させないのだろうか。素晴らしかった。
後半どんどん面白くなり
作業の片手間に見るつもりが手を止めて見入ってしまった。
最後に
私はもうここまで来ちゃったか?というオバさんになってしまったようで
息子含め3人の若者が見分けがつかなかった。
一人一人見れば ああ と思うんだけれど
全然 顔が覚えられませんでした。
英語が話せない方の彼の ちょっと棒読みチックなハスキーボイスは嫌いではなかった。
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