「TVシリーズの良さが引き継がれていません」劇場版 SHIROBAKO まるしんさんの映画レビュー(感想・評価)
TVシリーズの良さが引き継がれていません
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TVシリーズの4年後から話が始まります。主人公たちがけっこう偉くなっていたりスタッフが別会社に移っていたりするのですが、「その子はそんなこと言わない。そんなキャラクターじゃなかった」ということがすごく多いです。
アンデスチャッキーが全く似合わないダンスをしたり、矢野さんが木下監督を犬扱いする侮辱的な言葉遣いをしたり、絵麻ちゃんが制作である宮森に「理不尽な注文をしないでね」と釘をさしたり・・・
主人公たちが成長して変化したというならその過程をこそ描いてほしかったし、成長させるにしても全く別人であるような変化をさせるべきではないです。
他に突然ミュージカルが始まったり時代劇が始まったり、シーンとシーンの繋ぎが不自然な演出が多く、次々に観客を置き去りにします。
極めつけは「どんどんドーナツ、どーんと行こう!」という主人公5人組の決めゼリフを観客として映画を観る時に言わせたことです。この言葉はアニメを消費する側ではなく作る側になる、良いクリエイターになるという決意表明の言葉なのに、観るときに言わせたのです。これは許せません。
結局誰に何を伝えたい映画なのかわからなくなっています。今アニメを作っている人たちを勇気づけたいのか、これからアニメ作りをしようとしてる若者にプロとしてアニメを作る厳しさ楽しさを伝えたいのか、ただ単に観客を楽しませたいのか。
皮肉なことにこの映画のつまらなさがアニメ映画を作る大変さを伝える結果になってしまっています。
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