「体操したくなった」体操しようよ aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
体操したくなった
海のそばの公園で、晴れ渡った空の下、ラジオ体操できたら気持ちいいだろうなぁ。なんて軽い気持ちで観に来たのだけど、なんだかウルウル来てしまいました。ラジオ体操の話なのに!
早くに妻を亡くして娘と暮らしていた佐野道太郎(草刈正雄)は、「取り柄は規則を守ること」というくらい堅物の冴えないオヤジ。定年になってやることもなく、それまで家事をこなして世話してくれていた娘からも、主婦引退宣言をされ、家でボーっとする毎日。近所に住む元会社の上司に、ラジオ体操に引っ張り出された。そこに居た気になる女性ノゾミ(和久井映美)と関わったことから、人生の第二幕が始まった。
まあ、NHKの優等生的なドラマみたいで、もちろんラジオ体操の話ではある。でも、定年後の燃え尽き感や親子の揉め事、過去に何かキズを持つマドンナなど、それぞれの人間関係喜怒哀楽織り交ぜて、さらりとまとめた良作です。
娘の弓子(木村文乃)が、ツンケンした態度でオヤジに説教する感じが、無茶苦茶かわいい。そうした過程があった上で、最後の親子の和解のシーンには、なんだかウルウル来てしまいました。
舞台は千葉の館山のようですが、あの公園は確かにラジオ体操にうってつけでいいなぁ。久しぶりにラジオ体操したくなりましたよ。
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