「☆☆☆★★★ 《小津安二郎》 ノベライズ版は読了済み。簡単に。 冒...」体操しようよ 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★★ 《小津安二郎》 ノベライズ版は読了済み。簡単に。 冒...
☆☆☆★★★
《小津安二郎》
ノベライズ版は読了済み。簡単に。
冒頭直ぐに定年退職となるミッチー。おざなりの送る会でスピーチをするが、誰も彼の話など聞いてはいない。
真面目一筋とは聞こえが良いが。人との交流を拒み続けたからか、とにかく人望が無い。
年頃の娘との2人暮らしだが、その関係は曲がりなりにも上手くいっているとは言えない。
そんなミッチーだが、訳ありな豊満熟女に惹かれ体操を始める。
一応脚本上では、コメディー映画を志向していたのだと思うのだけれど。出来上がった作品は、どこか小津安二郎の晩年の作品群のテイストを持つ作品に仕上がっていた。
勿論、あの名作達と比べてしまっては、幾ら何でもハナっから勝負にはならないし。それより何より、そんな小津作品を意識して脚本を書いていたのか?は、こちらの考え過ぎの気もする…。
「友の居る者は敗残者では無い」by B級天使
映画の終盤、ミッチーに今一度スピーチをする機会が訪れる。
映画の冒頭のスピーチと、映画の終盤でのスピーチでは明確な違いが有り。彼はその時に、娘から言われた言葉に対する彼なりの答えを伝える。
小津作品に於ける、昭和世代の娘の理想像と。平成世代のドライな娘との対比が興味深い。
小津の世界観を現代に移し替えるのは並大抵には行かないだろうなあ〜と。
まさに《昭和は遠くなりにけり》で有ります。
あ?何度も言いますが、本当に小津を意識しての脚本なのか?は、分かりませんけど…。
でも、娘が居なくなった後の或る場面は。ノベライズ版を読んだ時に「あ?これ『晩春』じゃないのかな?」と思ったんですよね〜。
のぞみの過去を知り、奔走するミッチー。
旅先での朝。自然と身体は体操に!
ラジオ体操でウルウルさせられるとは…不覚!
2018年11月12日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン8