「どんな時も希望を失わない生き方」最後のランナー とえさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな時も希望を失わない生き方
1981年に製作された「炎のランナー」のモデルとなったオリンピック金メダリスト エリック・リデルのその後を描く
エリックは、オリンピックて金メダルを獲得した後、アメリカの数々の企業から誘いを受けるも、それを拒否
宣教師になる道を選び、中国の天津へ
しかし、エリックが赴任してからしばらく経つと、中国は日本との長い戦いの末、第二次世界大戦に突入
日本の占領下となっていった
エリックは収容所に入れられてしまい、食べ物が制限され、人間らしい生活を奪われた生活を送るようになる
そんな生活の中でも、希望を失わずに人のために尽くすエリックの姿には、とても胸を打たれる
この映画を観ながら思い出したのは、アンジェリーナ・ジョリー監督の「不屈の男 アンブロークン」だった
「不屈の男」も、オリンピックに出場した後、第二次大戦に突入し、日本の捕虜収容所に入れられた選手の実話が描かれていたからだ
しかし「不屈の男」と比べると、この映画のエリックは、尋常じゃない精神力の持ち主だということがわかる
与えられた食事は、飢えた子供たちに与えてしまい、それでも走るトレーニングをし、日本人との対決に備える
罰として穴倉に入れられても、冷静さを失わない
そして、自分の体調が悪い時でさえ、周りの人たちを気遣い、優先する
そんな彼の姿を見て、エリックにあって「不屈の男」にないものは、「神の存在」だと思った
宣教師の彼は「常に神に守られている」という思いがあって、その思いが彼を強くしている
だからこそ、悲惨な状況にあっても、いつも、自分よりも他人を思いやり、優先することができるのだろうと思った
最後は収容所にいても、しっかりと宣教師としての役割を果たし、地元の中国人たちに彼の教えが伝わっていたことに感動して涙が溢れた
とても地味な作品だけど
これが実話で、こういう立派な人がいたんだということを知って欲しい作品