劇場公開日 2019年1月25日

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「共同親権の落とし穴」ジュリアン ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0共同親権の落とし穴

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

家庭内暴力の問題を「シャイニング」のようなホラー演出で描いたのが新鮮だ。あのような常軌を逸した狂気が家庭にあるとしたら相当に恐ろしいことだ。親権をめぐる裁判で幕を開け、母親と父親どちらに問題があるのか、最初のうちはわからない。しかし、除々に父の行動がおかしくなり、次第に狂気に変わってゆく。
フランスでは離婚が成立した場合、共同で親権を持つ共同親権になるケースが多いそうだ。これは共同親権の盲点をついた作品だろう。狂気に堕ちた父にも親権があるため、子供は定期的に父と過ごさせばならない。しかし、裁判所が父の本性を見抜くことは困難だろう。そもそも人の本性を簡単に見抜ければそんな人間と結婚しないだろう。
ジュリアン役のトーマス・ジオリアも好演。これが映画デビュー作だが、憂いを秘めた目が良い。これから経験を積んでもっと良い役者になってほしい。

杉本穂高