「戦争を始めた奴は誰だ!?」天国でまた会おう kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争を始めた奴は誰だ!?
『1917』、『彼らは生きていた』とともに西部戦線における塹壕戦の恐怖を感じることができた。物語の中心になるのはアルベールとエドゥアール、そして憎きプラデル中尉であるが、休戦間近であるというのにドイツ軍に突撃するために二人の兵士を偵察に行かせ、実は戦意高揚させるためにプラデルが部下の兵士を殺したのだ。それに気づいたアルベールも爆死寸前だったが、エドゥアールに助けられ、さらに助けたエドゥアールが被爆して下顎部分を失う重傷を負った。
エドゥアールは家族にも会いたくないため、戦死したことにして細々と生活を続ける二人。さらにエドゥアールの言葉を通訳してくれる少女ルイーズが加わった。父親が自分の死を悲しんでいるのも伝わるが、戦争によって金儲けをしたことに我慢ならないエドゥアール。彼らは壮大な詐欺計画を企てるのだった・・・
20世紀初頭、帝国主義の時代。人の命を何とも思わない上の奴らが仕掛けた戦争。そして戦争によって大儲けする奴ら。許せない!といった気持ちがビシバシ伝わってくる。さらに仮面の美しさや少女の純粋さ心も傷を癒してくれるのです。コミカルな展開によって痛みを和らげてくれるものの、彼らの負った傷は相当深い。アルベールはエドゥアールの父親の銀行に雇われるが、帰還兵というのはロクに働き口がないのはいつの時代でも同じだ。
鳥の仮面を被った邂逅シーンには切なさと憤りが入り混じり、表情が見えないだけに辛いものがあった。そして、物語を繋ぐモロッコ憲兵所での尋問にも心打たれてしまいました。最後にどっと涙が・・・
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