「当方、生活支援員」こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 さば缶のWi-Fiさんの映画レビュー(感想・評価)
当方、生活支援員
介護する人だけど同じ目線では見られなかった。だって私はお金もらって車椅子の人とかと接したり介助したりしてるから。
介護系の仕事に嫌気がさしてたり擦れてたりする人は楽しめないと思う。
自立して生きるって当たり前に見えて大変なんだと思った。私はたまたま手足しっかり動いてるから身の回りのこと自分でできるってだけで。
鹿野さんは一見、人にやってもらってばっかで自立を謳ってるから、本当に自立?と思うかもしれないけど、自らボランティアを集めて、彼らが親身になってくれるような人を惹き付ける力を使って、手足が動かない、彼なりの自立を実現させていたということがわかった。
夢は大きく、かなりパワフルな人だと思った。
ご両親も、鹿野さんの好きなようにさせているのも愛情だし、お互い大切に思ってるんだなと思えた。なぜかお母さんに一番感情移入してしまった。お母さんが元気に産めなくて申し訳なく思っているのも、それを鹿野さんが察しているであろうことももどかしく感じる。
鹿野さんがパワフルだから忘れがちになるけど、筋ジストロフィーで、次の英検の試験まで元気でいられるかわからないって過酷な運命だと思う。
鹿野さんがかわいそうじゃないから、思っていた障害者と違うからという理由で辞めていったボランティアに、俺が楽しくしてちゃいけないのかよ!みたいなこと言うシーンあるけど、お涙頂戴テレビの影響だよな…と思ってしまう。
田中くんは心配なくらい人が良すぎるというか、真面目というか…。自分が彼氏ですってことは言おうよ。一見すると鹿野さんが踊らされてる哀れなピエロだよ。まさかのいい雰囲気になっちゃったけど。
専門的なことは言えないけど、全編通して、大泉洋さんの演技、すごいなと思った。人工呼吸器付けた後の話し方とか。
原作読んでないのにディスってしまうことになるけど。マーケティングの都合上だと思うけど。
序盤のワガママな印象が強すぎるわりに、中盤から毒が少なくなって、テーマやタイトルに違和感を覚えた。
田中くんとみさきちゃんの恋愛模様はあっても無くてもいいかなとは思う。