「もう独りぼっちになるのは厭です」アウト&アウト いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
もう独りぼっちになるのは厭です
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自分の学生時代にジャンプで連載していた『BE-BOP-HIGHSCHOOL』の作者が、小説の原作者であり、尚且つ映画監督という、これ以上の原作モノ作品では紛うことない純度100%の出自である。
只、原作未読なのでそれを裏打ちは出来ないが、多分間違いなくこれ以上の忠実に再現されたものはない座組であろう。
小説もいくつも出版されているし、自分だけが存じ上げていなかった意外な現在の状況である。この人の才能の広さを改めて感じさせて頂いた。
ストーリー展開は、ハードボイルドエンターティンメント的括りかと思う。只、この原作のプリクエルの小説があるようで、その内容を回想シーン、又は思い切ってくっつけてくれたらもっと深みが増したかも知れない。ストーリーの没入感が薄いのは、登場人物の共感性、又はその逆の憎む感情みたいなものが悪く言えば中途半端と感じたからだ。勿論、それぞれ絶対的なものはないのは現実の世界なのだし、余りにも荒唐無稽さは興醒めしてしまうのだが、もう少し味付けを濃くして欲しかった。
キャストで一番光っていたのは、子役の女の子。もうこの娘だけで持って行ったといっても過言ではない。それほど愛おしさを独り占めした演出である。多分、この娘をフィーチャーするためだけに周りの大人が寄ってたかって全力で担ぎ上げたのではと強く感じるほかない。勿論、ラストのパズルのような組み合わせの罠のかけ方等、エンタメ感も面白かったが、やはり女の子のあの切なさは何事にも代え難い、一点突破の作品だと激しく印象付けた。
それにしても、演技下手な人の出演はマイナスだからもう少し制作陣、考えて欲しいとの苦言を・・・
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