劇場公開日 2018年8月4日

  • 予告編を見る

「芸術の力」バンクシーを盗んだ男 アンディぴっとさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0芸術の力

2021年10月16日
iPhoneアプリから投稿

 イスラエル🇮🇱にとっては治安を守る壁、パレスチナ🇵🇸にとっては分断の壁、そんな目的の為に造られたベツレヘムの分離壁。2007年にロンドンの団体が世界の注目を集める為に14人のアーティストに絵を描かせた。アーティストにとっては最高のキャンバス。アーティストの1人が語る。「私たちの作品を見にきてもらうことでパレスチナ支援になればというのが趣旨,我々があそこに絵を描いたのはあの壁の意味を問いかけたかったから」
 別のある女性アーティストは「あの壁に描くことに意味がある。壁は人々を侵害し虐待し冒涜する存在。全くもって残虐で人々を心理的に攻撃してる。彼らはそんな中で生活している」
 このプロジェクト、考えついたことがすごい。確かに注目を集める。あのバンクシーのアートが描かれたとなればマスコミは追いかけるし、知らなかった人でさえ、この壁の存在を知るキッカケになる。
 映画はバンクシーのアートを壁ごと切り取った持ち主を手伝い、切り取る作業を手伝ったタクシー運転手を追う形のドキュメンタリー。なかなかわからない中東のことも少し知れて、ストリートアートのことも少しわかるし、先に見た「イグジットスルーザギフトショップ」より面白い。
 バンクシーの言葉「何世紀も聖地だったベツレヘムにコンクリートの壁が作られた。この巨大なキャンバスに絵を描けば世界最大のアートに変えられる。ただし短命なことが大切」
 あるアーティスト、彼はレジェンドだね。まさにそうかも。
なかなか勉強になりました。

アンディぴっと