「富める者、貧しい者、幸せはどこに」幸福なラザロ とえさんの映画レビュー(感想・評価)
富める者、貧しい者、幸せはどこに
1980年代のイタリアの田舎町で、大地主が農民たちに対して、小作人制度が廃止されていないと偽り、搾取し続けていたという実話をベースに、イタリアの貧富の差を描いた作品
そこに登場するのが、この映画のタイトルにもなっている「ラザロ」
彼は、その小作人の一人だが、何もしない人だ
怒らない、求めない、主張しない
困っている友人のためなら、平気で命も差し出してしまう
そんな彼が、その搾取するか、されるかという世の中に舞い降りると、ますます、この世の世知辛さが浮き彫りになる
ラザロは搾取する側と、される側の中間にいるのだけれど
ラザロの立場から観て、どっちも幸せそうではないのが印象的なだった
それなら、金などなくても、自給自足で好きなように生きているのが、一番幸せなんじゃないか…とすら思えてくる…
幸せな暮らしとは、どこにあるんだろうな…と考えてしまう映画だった
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