ブラック・クランズマンのレビュー・感想・評価
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なるほど
思っていたよりカタルシスとエンタメ入ってくるなと思っていたらなるほどジョーダン・ピールとスパイク・リーか!
納得!
エンタメ性とメッセージ性のバランスが上手いから、このムーブメントの外にいる人にも広く見てもらえる内容だと思えるし面白かった。ジョンデヴィッドの知性とユーモアは今回も光ってる!
しっかし本当に偏見意識をうまく取扱うなぁ。
デブで愛想の良すぎる女の愚かさや貧乏な白人が持つ視野の狭さのイメージ。人種差別の他にも知的階層に対して規格化された偏見を見事に使いこなすうまさ。賛同しやすさ抜群ですね。
今から半歩ズレ込んだ過去の事件やすぐそこにある異空間みたいなものの表現もセンスがあって好きなのでこれからも要チェックや!
普通かな
ラスト10分弱の余計な映像が、それまでの良質な2時間をバイアスで上書く
レビュー
悲しいけどこれは起きたし、起きていること
対比の仕方が絶妙
公民権運動により黒人の法的な権利が向上し始めた1950年代。アフリカ系とユダヤ人の警官が、KKKに潜入捜査を図る物語。
特異な設定ですが、実話を元とした作品のようですね。
設定からコミカルなものを想像しましたが、作風はシリアス。でも、比較的軽いタッチで描かれていて、観やすい映画に仕上がっています。
映画は、KKKへの潜入捜査をメインストーリーに、差別問題、差別に対する考え方を描いていきます。
対比の描き方が秀逸ですね。
既存の枠組みで差別に立ち向かう主人公と、既存の組織の打倒を唱える恋人。
アフリカ系の自尊心を持つ主人公と、ユダヤのアイデンティティを失っていた相棒。
黒人少年の惨殺について語らい復讐を叫ぶ黒人組織と、その端緒となった映画「国民の創生」を鑑賞して喜び叫ぶKKK。
クライマックスはカタルシスもあり、でも簡単にハッピーエンドな気持ちにもさせない・・・そんな余韻の残る秀逸なものでした。
少し残念だったのは、潜入捜査の恐怖や難しさの描き方が不十分だったこと。それが、「軽めのタッチで観やすい」と感じたのでしょうけど、映画としては少々勿体ないように感じました。映画の趣旨は、差別問題なのでしょうから、潜入捜査に重きを置かなかったことも分かるのですが、個人的には少し残念に思えたところ。
この映画は2018年の公開なんですね。エンドロール前でトランプの映像が出て得心しました。分断された社会の象徴であるトランプの出現。それに対する危機感をあらわにした映画だったのでしょう。
Racism and anger
人間の本質に迫る問題
この映画はキッパリと意見を述べている。星条旗を逆さにして。
この映画によってアメリカで起こっているracismについて世界中に広めることはできる。
でも、結局この方法では根本的解決はできないとも思う。
この映画を作った目的の真相は知らないが
やはりアメリカンな性格だなと感じてしまった。
ごめんなさい・・・
黒人刑事がKKKに潜入捜査。んっ?一体どうやって!?実話を基にした...
物語は時にユーモラスな会話を交えながら分かりやすく展開していく。冒...
スパイクリー監督のエンターテイメント作品
エンタメを突き破る監督の怒り
スパイク・リー監督の話題作。
米アカデミー賞でもカンヌ映画祭でも一番は逃したけど
しっかりノミネートされたと言う話題作であり意欲作でもあります。
人種差別という重い題材を、潜入捜査もの、バディーもの
または詐欺師もの的な要素もあり、更にコメディーも盛り込んで、
エンターテインメントとして楽しめる作品に仕上がってます。
アメリカの人種差別の根深さと
今も尚続く悲惨な現実を突きつけて来る今作
人種差別を対岸の火事的に見ている日本人も、
これから外国人が身近に増えて行く社会の中で
自分は暗黒面に落ちずに生きていけるのか??
ただエンタメとしてだけでなく、
自分の胸に問いかける気持ちで観て欲しいですね。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
コメディー要素も含まれているけど強烈な人種差別ギャグは
だんだんに笑えなくなって来る。
警察署の中でもロンに好意的な人と差別的な人とで
くっきり対応が分かれる。
だんだんに観ている自分の胸の中の高鳴りは
潜入捜査もののハラハラなのか〜差別表現によるドキドキなのか〜
途中、主人公ロンが思いを寄せる黒人女性との公園でのデートシーン。
柔らかなアフロヘアーの輪郭に背後からの夕日が薄く透けて
まるで、宗教画の後輪の様〜〜
ビューティフルブラックの象徴の様にも見える。
スカッとする落ちはちゃんとあってエンタメとして十分楽しめるけど
それを突き破るスパイク・リー監督の怒りが
最後の画面に叩きつけられている。
どうして何も変わらないのか!
監督の怒りは解るが、中途半端な映画好きとしては
「風と共に去りぬ」についても最後に書いておきたい。
映画の冒頭に映される「風と共に去りぬ」のワンシーン。
名前は知っていても見たことない人も今となっては多いと思う。
オールタイムベストに入れる人も多い名作映画だけれど
「黒人奴隷時代をノスタルジックに描き過ぎて、
そんなに酷い事して無かった」と言う様な誤解を与える
として使われています。
確かに舞台は黒人奴隷時代の南北戦争だけど
そこだけで、この名作を否定しないで欲しいですね。
黒人奴隷のいる時代を背景にして、南部の1人の女性が
倒れても倒れても力強く立ち上がる姿を描いた女性映画でもあり、
この映画の中で主人公が親の様に信頼する
黒人メイド役を演じたハティ・マクダニエルさんに、
アカデミー賞史上初めて、
黒人俳優にオスカーが贈られた映画でもあることも
合わせて覚えておいて欲しいです。
@もう一度観るなら?
「ネット配信などでじっくり観たいな〜」
今も昔も変わらない…
映画を見て真っ先に思ったのが●●ファーストって非常に危険な言葉だなと。当時は黒人が警官になることさえ珍しかった時代。仲間の白人警官からの差別も当たり前。それが差別の総本山KKKに潜入捜査するのだから、映画のようなホントの話。バレちゃまずいので、電話は黒人、対面は白人という二重潜入捜査。命懸けだけにコンビが抜群。朴訥で冷静な相棒役アダム・ドライバーが好演。白人が黒人を虐げてきた歴史はあるものの、映画は共に声高にブラックパワー、ホワイトパワーと言って民衆を煽る指導者を対比しながら、両者を危険視している気がする。トランプをはじめとするエンディングのドキュメンタリーはやや黒人差別を描いているが、この分断は脈々と受け継がれ、アメリカ国旗が逆様、つまりは国家転覆を表していると思う。憎しみは新たな憎しみを生み、連鎖していく。アメリカ国内の話だけではなく、世界的な話であり、監督はこの映画でそこに気付きを与えようとしている気がした。
地続き
Amazonプライム・ビデオで鑑賞。
1970年代のコロラドスプリングズを舞台に、黒人刑事が白人至上主義団体“クー・クラックス・クラン(KKK)”に潜入捜査した実話を映画化したクライム・エンターテインメント。
キャッチコピーは物語に関する勘違いを招く文言なのでご注意を。黒人刑事ロン・ストールワースが潜入したわけではなくて、仲間の白人刑事フリップがロンに成りすまして潜入捜査を行いました。ロンは電話担当と監視・後方支援の役割。
潜入捜査過程がスリリング! ロン(フリップ)のことを嗅ぎ回る者の存在に、正体がバレやしないかとハラハラ…。並行して描かれる黒人差別撤廃を求める学生運動家パトリスとロンの交流が潜入捜査パートと絡み合い、事態は思わぬ方向へ…。
ロンは黒人、フリップはユダヤ人。共に差別されて来た歴史を持つ民族同士、硬い絆と友情に結ばれて…いかないのが本作のミソかな、と…。仕事の上ではパートナーとなり、お互いを認め合っていますが、それ以上の馴れ合いはしない。この関係性がなんとも言えない心地良さを感じさせてくれました。
やがて事件は、少々苦味を伴いながらも、溜飲が下がる結末を迎えました。しかし、物語はここで終わりませんでした。
十字架を焼く儀式を行う白装束の集団を映した不穏な場面が挿入されたかと思うと、一気に現代へタイムジャンプ。2017年の“ユナイト・ザ・ライト・ラリー”で起こった痛ましい事件の、とてもショッキングな映像が流れました。
ハッとさせられました。本作はエンターテインメントの皮を被った痛烈な皮肉なのだ、と…。事件は昔の“終わった”出来事ではなく、現在に地続きなものなのだ、と…。
白人と黒人の和解は、事件を通した限定的なものさえも、本作では全く描かれませんでした。ロンとフリップの関係性を見ても、先述の通り、必要以上の馴れ合いは無く、職務上の同僚の域を出ませんでした。“事件”は終わらない…。
絶望が漂う結末に衝撃を受けました。何かしらの希望を提示して終わるのが当たり前みたいに思っていたので、とても印象的でした。これが現状なのだと突き付けられた感じでした。
インファナル・アフェア
爽快のち、絶望が降るでしょう。
潜入捜査モノとして秀逸な作品でした。
実話ベースと言うことですが、原作未読なので、どの程度脚色されているかは不明です。
ですが、まずKKKに黒人が挑む、それも間接的にバーディでって設定がまぁワクワクしますし、よくできてるなーって感心しました。
エンタメとしては申し分無し。
ただ、結局世界は変わらず今もなお、、、。暗澹とします。
一泡ふかせるのが民族の精一杯なんだろうか?つねに、外界に銃口を向け続けなければならないのか?
思想は繰り返し、憎しみは憎しみを生む。
虚しさだけが残るラスト。
KKKの映画鑑賞風景、老黒人のお話、
現代のさほど昔ではない時代の話です。
人間はとことん残酷になれる。
この作品を見ると、ラストのごく最近の映像を見ると、絶望感しかありません。
けど知らなくてはならないし、知る必要があります。
なぜ、違いを尊重できないのだろうか?
、、、できるのもできないのも人間なんだろうな。
さて、バイデン氏になるアメリカをスパイクリー監督はどう描いてくれるのだろうか?
潜入捜査のおもしろさで、いいじゃない
これ、どこをどう評価されたんでしょう。もちろん、おもしろくないわけではない。ただ、エンタメ路線でいきながら取って付けたように人種差別問題を提示する狡猾さが鼻につく。
本作の対立は白人にしろ黒人にしろどちらも至上主義。なのでどちらが正義というわけでもない。おそらくその解釈で描いている、と思えばそこは納得できるところ。しかし、ラストのほうで白人至上主義への批判を織り込むような編集をみせる。ここが、個人的にはすんごいがっかりするところ。この潜入捜査のおもしろさで、いいじゃない、ていう。
最後の電話ネタばらしのくだり、マジで全然笑えなかった。まあ、逆説的に黒人をみじめに描きたかった、のなら成功だろうが。。
でも、トランプが白人至上主義であることは、おそらく間違いないんでしょう。非難の声が目立つようでいて白人の優性意識は根深いらしい。それを理解した政治手法。アメリカは圧倒的に白人の数が多いのだから、民主主義では成立してしまうという。過半数が正の世界、理に適っているといえばそう。しかし若い世代により潮目が変る時期にきているのもたしか。
と、感想書いてみれば、この映画でこうしてあれこれ考えてる。ので、まあ、そういった価値なのかな。
自分たちを敵として憎み排除しようとする存在が身近に暮らしているという恐怖は、日本に住んでいるとなかなか実感できない。
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