「傍観者としての日本人。」ブラック・クランズマン bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
傍観者としての日本人。
スパイク・リーの映画を観るのは、「クルックリン」か「マルコムⅩ」以来でしょうか。かつての先鋭的な作風は影を潜め、判りやすい映画作りに終始していたのが意外に思えました。こういう作風、私、嫌いじゃありません。
人種差別を扱ったアメリカ映画は数多くありますが、翻って我が国はどうでしょか、朝鮮人、中国人を真正面から扱った映画は、思い浮かぶところ、「月はどっちに出ている」くらいしか思い浮かびません。日本の映画界ではこうした差別問題を白日の下にさらすのは一種のタブーなのでしょうか。血のメーデー事件、など在日朝鮮人が大暴れした事件も日本にはあります。誰か志ある映画人に一度、劇映画を撮ってほしいものです。
それにしても、最後の夥しいドキュメントフィルムの洪水、アメリカの人種問題は時代が経っても何一つ解決されていないことを知り、粛然とした気分になりました。
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