「☆☆☆★★★ 村上春樹の原作は未読。簡単に。 【自然界の闇と裏】 ...」バーニング 劇場版 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★★ 村上春樹の原作は未読。簡単に。 【自然界の闇と裏】 ...
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☆☆☆★★★
村上春樹の原作は未読。簡単に。
【自然界の闇と裏】
作品全編で貫かれる《悪》の匂いが恐ろしい。
深く深く。ゆっくりゆっくり。ジワジワ〜っと真綿で首を締め付けて来る感覚。
前半での、ゆったりと展開される序章を楽しめるかどうかで、後半の狂気性の持続と。火薬が点火する一歩手前の状態及び、ラストでの一気の爆発を堪能出来るかと思う。
中盤でヘミが、いきなり服を脱ぎだす時に映る夕焼け空から闇の帳が迫る場面。
自然音と同時に。ゆっくりとカメラがパンをして、周辺を映し出す撮影の素晴らしさは忘れ難い。
また後半での追跡劇。都会のノイズと共に聞こえて来る不協和音の音楽的効果は、絶えずドキドキとさせられた。
確かにヘミは存在していた。間違いなくこの男が怪しい。でもそれを証明する手立てが無い!
だから彼は決断する。その焦燥感と、目と鼻の先に《北》を控える土地の寂寥感。
間違い無く傑作では有るのですが、ちょっとだけ残念なところも。
例えばビニールハウスで有り。水の無い井戸で有り。また、彼が書き始める小説で有ったり、警戒中のパトカーや猫等。
数多くの映画的な記号や伏線が。観終わってしまうと中途半端に宙ぶらりんの状態で回収されずに映画は終わってしまう。
「マクガフィンだから!」…と言われて仕舞えば
こちらも反論のしようが無い。
ただ…マクガフィンが多すぎるとかえって逆効果の気もしますね。そこのところ…どうなんでしよう?
明確な答えや意味を求めてはいけないのかも知れませんが。
2019年2月4日 TOHOシネマズ流山おおたかの森/premiere
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