「息子救出のため戦う母。その悲壮な決意に胸を射抜かれる」バハールの涙 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
息子救出のため戦う母。その悲壮な決意に胸を射抜かれる
静かな村がISに襲撃され、夫や親を目の前で殺されて、女性たちは拉致され性奴隷に。さらに奴隷市場で売買される。しかし自暴自棄になることなく、勇気を振り絞って命がけで脱出。だがそこで話は終わらない。やはり拉致され兵士養成施設にいる子供たちを救い出すため、母親たちが自ら兵士となり戦場に向かう。なんという壮絶なストーリー!
端正な顔立ちのゴルシフテ・ファラハニが演じるバハールは架空のキャラクターだが、エバ・ウッソン監督はISに拉致されたクルド人女性たちに取材しバハール像を創り上げた。クルド人の苦難の歴史や、アラブ社会でISが行ったことについて、予備知識があればプラスにはなるが、知らなくても問題ない。子を思う母の強い愛という普遍的なテーマを描いているからだ。
アメコミヒーロー映画でも女性が主人公の作品がぼちぼち作られているが、バハールと「太陽の女たち」こそリアルなスーパーヒロインだ!
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Fujikoさんのコメント
2019年4月7日
戦場帰者と戦闘員バハールの友情、家族愛が描かれた力作。戦場で戦う女性がいるとは、それもISの元奴隷たちが結成しているとは驚くばかりだった。自由のため、愛のため、立ち上がる静かな映画。自由のための30メートルに感動。