「そして誰もいなくなった」ドッグマン Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
そして誰もいなくなった
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主人公のマルチェロは別に良い奴じゃないんだよね。コカインの仲買人っぽいことやってるし。
むしろ悪に対する憧れがあるんじゃないかな。でも腕っぷしも強くないし、せいぜいコカインの仲買人ぐらいしかできないんじゃ。
だからマルチェロは副主人公のシモーネに憧れてるところがあると思うんだよね。
疎ましいと思いながらも憧れて、自分が憧れている世界を見せてくれる存在なんじゃないかな。
シモーネも、他の人は疎んじてるだけだけど、マルチェロは自分を羨望の目で見てることも知っていて、マルチェロに甘えてるような気もする。
マルチェロは皆と仲良くしたかったんだろうけど、一番仲良くしたかったのはシモーネなんだろうな。だから、隣の家に盗みに入るときも反対しきれない。皆を失ってもシモーネが残れば良いという決断をしてしまう。そして憧れの存在と親友になるために、自ら刑務所に入る決断をする。
でも出所してきたらさ、憧れの存在は自分なんか鼻にかけてもくれないし、チクショーと思うよね。じゃあって、他の人と仲良くしようと思っても、いまさら無理。
そして最後はシモーネを自らの手にかける。これは、殺したいほど仲が良いってことでもあると思うし、他の奴に殺られるくらいなら俺がってことでもあるんじゃないかな。
しかしそれで、他の人と仲良くなれるかというと、そんなことはない。結局、マルチェロの友達は、誰もいなくなった。
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