「パペピプペポパポ埼玉♪」翔んで埼玉 かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
パペピプペポパポ埼玉♪
原作は魔夜峰央の同名マンガ。
監督は『テルマエロマエ』シリーズの武内英樹。
【ストーリー】
19XX年埼玉。
わが国が世界にほこるメガシティ・東京のそばに、埼玉という県があった。
バブル経済華やかなりしその時期、東京民は神奈川以外の周辺を未開の地としてさげすみ、各所に関所をおいて通行手形で他県民の流入を規制していた。
東京・白鳳堂学園。
そこは代々東京都知事を輩出する、超名門校であった。
生徒会長の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、東京人のプライドを体現したような人物。
埼玉出身者の集まったZ組を、「そこらへんの草でも食わせておけ! 埼玉県民ならそれで治る!」と薬も飲ませずあからさまに差別していた。
だが、優秀な転校生の麻美麗(GACKT)にあしらわれ、強固だった自負が千々にみだされる。
麻美麗への対抗心で次々に勝負を挑むもすべて敗北し、いつのまにか百美は麗に恋をするようになっていた。
しかし麗には秘密があった。
彼は埼玉に生まれ、そして埼玉県の地位向上のために父親の命令で海外に留学した、命がけの密命を帯びた、埼玉解放戦線の次世代リーダーだったのだ。
魔夜峰央、で思いだすのは『パタリロ』という方々も多いかと思います。
あのアニメ、実は関西圏で大人気で、くり返し再放送されてます。
エンディングテーマの『クックロビン音頭』は、今でも盆踊りのスタンダード曲。名曲です。
魔夜峰央自身も、大阪美大で絵を学んでいたとか。
続編『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』で、関西に流れ弾しちゃったのは、なので自然な流れなんでしょう。この話、あっちのレビューでやった方がよかったなあ。
主人公カップルの麻美麗と壇ノ浦百美(原作では白鳳堂百美)も、なんとなーくパタリロ麾下のスパイ・バンコランとマライヒを思いださせる倒錯したフンイキ。
美々しく華やかなGACKTと二階堂ふみは、役柄とバッチリなキャスティングですね。
熊谷と大宮の対立や埼玉県と千葉県の対抗心といった僻地ネタや県民あるあるを、丼にもう入らないよう、と弱音をはくほどマシマシにして恩讐カラメで提供してくれるこの映画。
いやそもそも東京への通行手形って(笑)やめてやめて腹筋鍛わりすぎてシックスパックになっちゃう!
この手の自虐ギャグ映画って、コンプレックスを笑いに変えられるのがいいですね。
埼玉県を愛し、腹筋を鍛えたい方必見。
そうでない方でも、お笑いに飢えているなら、頭からっぽにして見られます。
こういうライトな作風でも全然イケる方なら、見ない理由ないですね。