「性差別は男女ともに損であるということ」ビリーブ 未来への大逆転 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
性差別は男女ともに損であるということ
ギンズバーグの男女平等の思想は彼女の言葉に端的にあらわれている。「特別扱いは必要ありません、ただ踏みつけているその足をどけてほしいだけ」。
本作はそんな彼女の姿勢は的確に描かれていると思う。彼女が弁護するのは、男性であるという理由で親の介護の控除がウ受けられてなかった男性。男性に対する差別を取り扱うのは、彼女は男女が同権であるべきだからという信念からであり、女性に対する性差別がいかに横行しているかについて、想像力を働かせることができない男性判事の目を覚まさせるためでもあった。
この映画で描かれる事例が示すのは、性差別は結局のところ、男女ともに損をするということなのだ。
夫のマーティンの存在は重要だ。料理好きで自らも優秀な弁護士なマーティンの存在がギンズバーグにとっていかに重要な存在かもしっかりと描かれていた。ドキュメンタリー映画『RBG』と合わせて見ると、彼女と夫の素晴らしさがより深くわかる。ぜひ合わせて観てほしい。
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