「邦題がなかなか」ビリーブ 未来への大逆転 aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題がなかなか
好感の持てる良作。
「スターウォーズ ローグ・ワン」主演のフェリシティ・ジョーンズが主役という事で観たのですが、思いのほか内容に魅せられた。現在連邦最高裁判所の判事である、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんの伝記的物語なのだけど、映画としてはドラマティックに、性差別というデリケートな問題に関しては鋭く突いた、両方の塩梅が見事。
MeTooの流れといえばそうなのだろうけど、その源流の物語で、不屈の魂を持つ女性の前半生を丁寧に描いている。女性差別が当然という時代に大学の法科を出て、弁護士事務所も女性というだけで雇ってくれない時代に、葛藤を抱えながらも不屈の精神で前に進む姿が爽快だった。男社会の文化や法律、制度と闘う訳なのだけど、あくまでしなやかに自分を貫く姿がガンジーのように映る。家族との行き違いや、それを超えた支えを軸にしながら、差別の蔓延する社会的な課題を掘り下げて、画面の中で見事にまとめていく。
もちろん、フェリシティ・ジョーンズの魅力もとても活きていた。ローグワンの時もそうだったが、芯の強い、パワフルな女性を演じても、決してスーパーウーマンとはならず、どこか親近感が湧く愛らしさを併せ持つ、不思議な感じを持った女優さんで、これからも期待。
ちょっと古い感じがする邦題だけど、見終わった後に納得するでしょう。
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