ゴールデン・リバーのレビュー・感想・評価
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邦題に惑わされてしまった
原題は「シスターズブラザーズ」なので、
初めから主軸はそこだと知った上で見た方が楽しい映画になったろうなあと思いました。
気づくの遅かった…。
兄弟の夢の話と西部劇。
シスターズブラザーズ
手に入れた物より失った物が大き過ぎて、
この後の兄弟の精神面が心配になる。
ゴールドラッシュの話だと思って見てたら、
そうじゃなくて兄弟の救済の話であり、
追いかけっこの話。
それに気付くのが遅過ぎた。
男4人が合流してから面白くなって来たと思ったら
銃撃戦での共闘、共同作業からの弟のやらかしからの
急に訪れた惨劇でたまげた。
弟にとっては、今までで一番悲惨な殺人。
ここで兄弟の話だったんだと気付きました。
提督に会いに行くところなんかは、
ここから銃撃戦が始まるのかと思ったら
呆気ない幕切れでガッカリしたけど、
あの時兄弟は死を覚悟してたはずで、
その後のラストを考えると、
本当に手に入れたい物を手に入れる時は
それくらいの覚悟と犠牲を払わないとダメなんだぞ
と言う教訓のような映画だったなと思います。
どんでん返される快感
「シスターズブラザーズ」こいつぁ~傑作だネ( ´_ゝ`)🎵
公開時あっという間に終映し見逃した作品。名優の競演に惹かれてインフルエンザの寝床からズルズル這い出てオンデマンド観賞。
のっけからグイグイ誘い込まれ、伏線を仕掛けながらロードムービーとしてテンポ良く展開。予想を次々と裏切って話は深まって行きます。四人の男たちへのシンパシーが一気に高まった瞬間、クライマックスに雪崩れ込みますが、またしても予想を激しく裏切りながらラストへ馬の背にしがみつきながら駈け抜けてゆきます。病をおしても観て良かった😉
ふしぎと愛おしいキャラクターたち
噂のゴリバを履修した。
ゴールデンリバー、上映終了後はそこまでじゃなかったんだけど徐々にメンタルにダメージを与えてきよる…
河のシーンすごくあっけなくて、そのあっけなさが逆に苦しくて今めっちゃつらい
ジョンモリス、モリスって聞くとウィリアムなんだけどモリス、顔がいい………育ちが良さそう………
あとハーマンがなんだかちょっとミステリアスなのにすごく純粋な感じで眼が綺麗で、だから……だから……うわーーーーーーーー!
あと見た後にホアキンフェニックスだったって気づいた。おまっ、おまえーーー!!!ジョーカーのときと別人じゃねーか!!!!え、ホアキンフェニックス最高か…?
シスターズ兄の役者さん、シカゴの旦那役の人だったのもあとから気付いた。みんな言ってるけど歯磨きのシーンとかかわいすぎるよね。ホテルではしゃくシーンとかね。人をばんばん殺してるのにね。こういう矛盾してるような人間の愛おしさを描けるのすごくない?
あんまり西部劇っぽくなかった。みんな言ってるようにロードムービーだなって感じた。
この映画すきなひとと話したいなと思った。
実はウェスタン映画❗面白い❗
星🌟🌟🌟🌟予告編は金のゴールドラッシュに纏わる話のようですが…実は主人公シスター兄弟のウェスタン物語でした❗でも最初から最後までテンポよいストーリー展開でラストまでスクリーンから眼が離せませんでした❗特に男性は好きなストーリーだと思います❗良い作品でした❗
ゴールドラッシュの恩恵と弊害。
【メモ】
「黄金狂時代」オマージュですかね。
思えば米国は、ゴールドラッシュを期に移民が増え、
栄えたんでしたね。
子供の頃の小さなベッドに寝ころび微笑む、
そこに収まりきらない大人の自分。
ラスト、色々と含んでるんでしょうね。
濃密な兄弟愛…
以前映画館で手にしたチラシに、
サスペンスウエスタン?へえ面白そうと
何も予備知識なしで鑑賞しました。
捉え方は様々だと思います。
確かに舞台は、ゴールドラッシュに湧く
アメリカ西部の荒くれ者の話かもしれない
けれど、わたしなら、ウエスタン
ヒューマン映画と題したいと思いました。
アメリカ人が作るどんぱちウエスタンでは
なく、フランス人監督が撮った濃密な
人間ドラマでした。
4人の男性の人生、心のひだが重なり
そして交差する、素晴らしい作品だと思います。
最後のシーンでは、人それぞれ
全く違う生き方、考え方だけれど、
愛を求めることは皆一緒なんだわと
感じました。
ほんわか?
今回はヒゲ薄めホアキン。ジョンととホアキンのどっちが兄貴なのか混乱してしまった。普通に考えたらジョンなのだが、積極的に行動するけどやらかすホアキン、凄腕だがあまり積極的でないジョン。そういう性格付けなのに…ということか。
お話としてはちょっとスカされた感じ。あの2人ともっと絡んでも良かったような気がするが。
役者もキャラも曲者だらけ
フレンチウエスタンな作品。始まるまでは知らなかったのだけれど、冒頭で気が付き、その後は「ふむふむなるほど」な展開。王道からマカロニまで、西部劇は大好きですが、そのなかでも記憶に残したい出会いでございました。
フレンチ視点だからこその、そっと端々に差し込まれる移民大国描写や食事を大事にしている感じに、フランス映画っぽいドライな死生観等々、埃っぽくて脂臭い世界に気持ち良くはまっていた気がします。
そして何よりもルドガー・ハウアー。コレが遺作なのかな…? 「むむむ!?」となった先のエンドロールで、本編とは関係なく、ぐっと来てしまいました。貴方の存在感に今一度の追悼を込めて。
夢と欲望に違いなんて無い
物語の舞台は1850年代の「西海岸地域」です。この頃って「インディアン絶滅政策」の真っただ中。オレゴン、サンフランシスコから更に南に下れば、鬼畜スペインとの領土争い、と言うか、原住民殺戮合戦なんかが繰り広げられている「血と殺戮」の時代です。カルフォルニアではゴールドラッシュが起き、共和党誕生の前夜。つまりは南北戦争前。ある意味「近代化の始点」でもあるわけで。日本の歴史に例えると「幕末」なんかなぁ、あくまでも概念的には。「最後の西部劇の時代」って言う時期。
※補足: 対インディアンものは終焉近し。マカロニウエスタンは、まだまだ続きます。
もうね、野蛮。と言うか、西部劇。Sistersが使っていた銃は、パーカッション式前裝リボルバーのコルトM1848(ドラグーン)を、コンバージョン化(メタルカートリッジ仕様に改造)したものと思われますが、バンバン火花が飛び散ります。Sisters兄弟はマフィア子飼いの殺し屋。武器も最新なんですね。
誰かの「夢」は、第三者から見れば「ただの欲望」かも知れない。高尚だから「夢」、下世話で卑しいから「欲望」。んな単純な話であるはずもなく。各々が欲望、あるいは夢を抱いて集まった4人の男ども。それが共有できれば「夢」だと言える。「欲望」も「夢」も人を変える。「欲望」は人を醜く。「夢」は美しく、っていうか、そんな美しくも無いけれど。夢はチャーリーを変えますが、残っていた欲望で、全ては水泡に帰す。悲しい。
とに角、役者さんが好き。ジョン・C・ライリーなんて、この前見たのは「肥満のコメディアン」。ホアキン・フェニックスはドント・ウォーリーにビューティフル・デイ。ギレンホールはスパイダーマンの悪役。リス・アーメッドはヴェノムのマッドサイエンティスト。すごいです、皆様方の振れ幅。四人が四人とも素晴らしく良かった。
旅する西部劇。山越え。お馬さんの背に揺られての二人旅。銃を握りながらの野宿。揺れる草原を馬で進む。もう、これだけでも十分。映画としては、描写が足りなかったり、もっとドンパチにドラマティックさが欲しかったりするけれど、「旅する西部劇」シーンが良かったので嬉しい。さすがに、風景は「北アメリカ」ですよね?
美しい西部劇
原題「The Sisters Brother」が冒頭から画面を覆って不可視に徹している表現からすると、邦題の「ゴールデン・リバー」タイトルは相関性がいささか気になる。しかし、これはこれで視点としては良いのかも知らないと思うのは、それが映画終盤で薬品の反応によって川の中が輝き彼らの求めていた黄金が可視化するからである。つまり、この映画において彼ら、父権的な暴力の影響化から人生を取りこぼした者たちがユートピアへの到着を意味し、「ゴールデン・リバー」として可視化することによってカタルシスに達するからである。
しかし、その黄金によって事故は起きるのだけれど、それは逆説的に黄金と暴力との倒錯的な魅力によって位置付けられ、彼らもあらかじめ用意されていたように運命に従うことしか許されない。父権的な呪いが血縁として、その彼らの体に血が流れているのだから。
この映画において二番目に魅力的なショットは兄が歯を磨く身振りの清潔さにある。そして幸い命をとりとめた兄弟は当然のこととして母の元え家に帰る。清潔さが主題のこの映画で、一番素晴らしいショットがようやく弟に訪れる。それは母の入れる湯に入った弟の入浴である。このショットで、ようやくこの映画は彼らを暴力から解放して己の時間を始めることを許す。
土と血と汗にまみれた古き良き映画
シスターズ兄弟が最高。性格も見た目も全然似てないのに、心根で物凄くお互いを大事に思って通じ合ってる。そんな二人の欲望と夢と安らぎを求める旅路をたっぷり味わえる、これぞ映画という感じの作品でした。
最初から最後までとことん男臭くて泥だらけで、良かったです。
秀作!
これはなかなかの秀作!西部劇としては珍しく、決してかっこいいとは言えない主人公たちが繰り広げる、泥臭く、夢と欲望に塗れた物語が延々と続くのかと思いきや、意外とハートフルなラストを迎えたのでなんだか不思議な感覚に陥る映画でした!
殺し屋「シスターズ兄弟」
久しぶりの西部劇。追いつ追われつの追跡劇。
まあ、銃撃戦は冒頭のもの以外は少し地味だけど、たまにはいいですね。
舞台はゴールドラッシュに沸き立つ時代のオレゴン州から始まる。"提督"に雇われた凄腕の殺し屋「シスター兄弟」は、一仕事終えて新たな依頼を受けた。狙いは金を目指して西に向かうある男。その男は、金掘りの一獲千金の秘密を持って西に向かっていて、すでに"提督"の部下を見張りに付けて追いかけさせている。兄弟は、彼らを追って追跡を始めるが、道中色々発生。
弟を心配する優しい兄にジョン・C・ライリー。多数の作品に出てる名バイプレイヤーで、最近だと「キングコング」とか「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などにも出てましたね。いい味でてます。オレオレ調でヤンチャな弟役にホアキン・フェニックス。今年公開予定の「ジョーカー」楽しみな個性派イケメンです。
目的の男ハーマンに張り付くモリス役はジェイク・ギレンホール。最新のスパイダーマンで、敵役でした。ケイシー・アフレック風の優しさあふれながらも諦観が感じられる雰囲気がいいですね。
兄弟に狙われるハーマン役は、「ヴェノム」で裏の顔を持つ大富豪の大企業社長をやっていた、リズ・アーメット。中東系の顔立ちが、少し西部劇には違和感あったかな。
展開は少しダルなところもあるのだけど、何気ないそれぞれの会話やちょっとした揉め事などが、不思議と気を引いてラストまで引っ張られた。ステレオタイプな要素満載だが、それが安心して見られた要素だったのかもしれない。万人受けではないと思うが、しっかり作られた作品で、地味だけど奥行きを感じられる映画だ。
哲学的な味わい深い作品
原題「Sisters Brothers」の意味は冒頭のシーンですぐに解る。しかしSistersという名字を聞いたことがなかったのでちょっと面食らった。一度耳にしたら忘れられない名前である。そのせいもあってか当時のアメリカ南西部では有名な殺し屋として名を馳せていたという設定だ。
本作品はフランス人監督による西部劇である。流石にひと味違っている。西部開拓時代の人々の精神性は、まず生き延びること、次に大金を稼ぐこと、それから先は好きなように生きることだ。生き馬の目を抜く生存競争の中で、正気を保ちながら殺し殺される日常を生き延びるのは並大抵ではない。おそらく数え切れない沢山の人々が命を落としたはずだ。殺すことを厭わず、良心の呵責も感じない粗暴な人間たちだけが生き延び、中でも飛び抜けて冷酷な人間が成功者となり指導者となっていく。殆ど原始時代である。
さてシスターズ兄弟は兄弟の絆だけを信じて賞金稼ぎの殺し屋を続けているが、殺るか殺られるかの毎日に明日がないことはふたりとも解っている。しかし望む将来は異なる。
兄イーライには馬に名前を付けて可愛がる優しさがある。名前を付けるという行為は家族を増やすことで、必ず愛着を生む。愛着は煩悩であり生への執着を強める。世の人々はイーライと同じように子供やペットに名前を付けて、家族という幻想を楽しんでいる。守ってやらなければならないという不文律さえ生じる。
対して弟チャーリーは非情だ。馬は馬でしかない。移動のための道具であり、怪我をしたり死んだりしたら別の馬に乗るだけだ。人間関係は命令する者と服従する者、殺す者と殺される者に分かれている。自分は殺す側、命令する側になりたいと願っている。
イーライは人を殺すことに躊躇いも迷いもないが、とどめを刺したあとに首を振る仕草には、この世の不条理を身を以て体現する人間のやるせなさが滲み出ている。不細工な大男という見かけによらずナイーブな一面を持つ主人公を、名優ジョン・C・ライリーが繊細に演じてみせる。ホテルのトイレに驚くさまは無邪気と言ってもいい。
作品はゴールドラッシュ時代のギラギラした欲望にまみれたスラップスティックだが、そこかしこに人生に対する問いかけがあり、フランス人監督らしい哲学的な側面を感じさせる。
マカロニ・ウェスタンのようなニヒルなタフガイは登場せず、ガンファイトはあるもののそれよりもヒューマンドラマに重きを置いたような、今までにないタイプの西部劇で、テンポよくストーリーが進んで楽しく鑑賞できると同時に、少し立ち止まって人生について考えさせられるような、味わい深い作品だと思う。
物語の素材、主要キャストのキャラクター設定も良い西部劇の佳作
ストーリー立てはやや粗いが、ゴールドラッシュに化学者を絡ませ、欲に駈られた人々を熟練の俳優達が演じる2時間はあっという間に過ぎる。
音響(特に銃声)、意匠の作り込みも素晴らしく、見応え充分な映像である。
<矢張、あの液体はあれかなあ。劇場で確認して下さい。>
最強だが何とも愛おしい殺し屋兄弟
原題:The Sisters Brothers
「ディーパンの闘い」でカンヌを制したフランスのジャック・オーディアール監督。彼の初の英語劇かつ西部劇ということで期待半分、不安半分で臨んだが、これは正にアメリカンテイストな秀作!
変な題名(原題です)だと思って観始めたが、すぐにジョン・C・ライリーの兄とホアキン・フェニックスの弟からなる「シスターズ兄弟」の物語だとわかった。ホント紛らわしい姓です。
時は1851年、兄弟は政府の役人と思われる提督の命を受け行動する最強の殺し屋だったが、オレゴンからサンフランシスコへと流れ、ゴールドラッシュの波に飲み込まれた。
ボロボロになってたどり着いたエンディングの情景が秀逸!優しくて愛しくて、ファンタジーとして昇華した。
俳優陣では兎にも角にもジョン・C・ライリーが素晴らしい。彼の代表作になった。
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