サスペリアのレビュー・感想・評価
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人類が築くカルト集団の愛憎を描いた傑作
期待以上の素晴らしい作品だった。
興味深いのは本作が魔女ホラー作品ではなく、過激思想を持ったカルト集団をテーマに感じた点。ホラーとしてだけ期待すると、序盤は確かに肩透かしになるかもしれない。恐怖展開はまったく起こらず、スローペースで、本筋と関係ないとの批判もあるようだが、本作のテーマを暗示させる社会情勢を描いている。第二次世界大戦後もナチス残党が暗躍する政府に対し、過激な左派がテロ行為を行う危うい状況。カルトな正義であったナチスの幻影と、新しいカルトな正義である赤軍の衝突。
そうした時代背景を描くことで、理想を掲げ、疑似家族を形成し、信じる者たちのエネルギーによって惨劇を繰り返す人間の普遍的なテーマが内包していることに気づかされる。魔女の舞踏団を、そうした人類史上、万国津々浦々、生まれては消えるカルト集団のメタファーとして表現する想像力に脱帽。
宗教、国家、会社。愛と憎しみが入り混じり、疑似家族としても形成され、時に正の、時に負の、狂信的なエネルギーとなって変革と破滅を繰り返す。まさかサスペリアのリメイクにこんな壮大なメッセージを受け取るとは。
本作は決して深淵なストーリーということではなく、終盤、聖母を受け継ぐ、泥臭い跡目争いみたいな展開になるのも非常に面白い。神がかってたキャラクターが愛憎を感じさせ人間臭くなっていったり。愛情を注いで育てる母子の話でもあり、一人の期待の新人が成り上がるスター誕生の物語とも言える。それを示すNOT ARTの絶叫!アート映画じゃねぇーんだよ!って言うことをメタ的に言ってんのかな?とか、ディテールの解釈なんかもいちいち楽しめる。
映像表現としても斬新なシーンが何度もある。第1に起こる残虐な展開も、もしかすると何かのオマージュかもしれないが、暴力描写の発想が売りでもある北野武映画ファンもびっくり。舞踏でヤってしまうとは。。一大フィナーレとなる儀式パフォーマンスは、舞台芸術としても素晴らしい。肉体と光と音で観客を圧倒する。
トムヨークの音楽も冴えてて、魔女ミーティングで、投票していくとこに音楽が重なっていくシーンとかレディオヘッド感あって単純にアガる。それぞれのキャラクターもはまってるし、裸でぐちゃぐちゃになったり体当たりすぎる。
ダリオアルジェントは激怒らしいが、ま、まったく別物だから無理もない、、、何の遠慮もなく自由に製作した感じがあって、シガラミなく金だけは潤沢にあるからなのか。amazonスタジオの今後が楽しみだ。
賛否あるのも頷けるし、痛みを露骨に描くシーンが盛りだくさんなので苦手な人もいるだろうが、是非、映画館で観るべき1本。
リメイク版サスペリアは水戸黄門によく似てる
独特な世界観
覚悟してください
暗黒舞踏に魅せられて
煉獄版まどか☆マギカ
今更サスペリア? 文芸映画の監督が? という疑念をすっ飛ばす(作り手が端から小賢しいマーケティング意識を欠片も持ち合わせていないことが伝わる)作品でした。
ヘレディタリーを越えるオカルトホラーは今後10年は観れないと思っていたんですが、いや総合的にはヘレディタリーの方が上だと思いますが、とにかく瞬間最大風速が素晴らしく、もう理屈ではなく好きです。
サラウンドで四方八方から終始聴こえる苦痛によるうめき声なのか快感による嬌声なのか判然としないSEを筆頭に、美/醜、幻想/現実、融合/分断、といった反目する要素を、二時間半という長尺を使ってじっくりと同じレイヤーに積み重ねていくことで、生が苦しみに/死が癒しになるような価値観の転倒=混沌極まるクライマックスも、当然の帰結として受け入れることができます。
伊産ジャッロのいかがわしさを踏襲しつつドイツ戦後史と土着信仰を織り交ぜ、暗黒舞踏を舞い舞いトムヨークの歌声が鳴り響く阿鼻叫喚の血みどろ地獄絵図は、ちょっと怖い映画でも見ようとうっかり迷い込んだ大学生集団も、ある種の前戯としてホラー映画を利用するカップルもまとめて奈落の底に叩き落とす! もう凄すぎて自然とデーモニッシュな笑みを浮かべながら観ていました。グハハハハ
世界観が違うから。
まさに暗黒舞踏
はじめは、心理療法士の老人の物語と、舞踏団への入団を志す少女の物語が交互に展開して、話を追うのに若干、苦労しましたが、後半につれて二つの物語が交差していくので、最終的には全体を理解することができました。
ただ、物語自体が一種、異常な様相を呈しているため、作品からなにを学べばいいか、どう受け取ればいいのか、といった混乱(混沌)は残りました。
ノンフィクション作品だと思ってみると、肩透かしをくらったように感じるかもしれません。
また、ただのスプラッター映画として観るのも、避けたほうがいいでしょう。全体を通して、静かで、不気味なシーンがつづくので、そこでも期待を裏切られる感があるかもしれません。
ゲームでいうと、バイオハザードではなく、サイレントヒルの恐怖感に近いと思います。
総じて、
個人的には、話は理解しがたいものの、映像的にはとても楽しめた作品でした。心理療法士の老人のほうに共感しながら観たほうが、楽しめるような気がします。
しかし、あれですね。
ティルダ・スウィントンは、ほんとうに妖艶な役が似合いますし、
主演のダコタ・ジョンソンは、親や親戚に観てもらいにくい作品ばかり出ていますね。
最期はよくわかんなかったけど面白い
2019-8
ジャバザハットが好きな人は見たらいいと思います。
1ヶ月フリパス期限が明日なので、今日は半日有給とりました←あほ
というわけで、見たい作品<タイムスケジュールのいい作品なので、こちら。
以下の10ヶ条に全てに当てはまる人にはおすすめ。
①カオスに埋もれたい。
②『オーメン』、『聖なる鹿殺し』、『ヘレディタリー』が好き。
③どんな映画でもジャバザハットがカメオ出演してないか探しちゃうくらい、ジャバザハット好き。
④グサッ、プスッ、プシャー、グキッが好き。
⑤ダコタさんのおぱーいを拝みたい。
⑥クロエちゃんがゲームの「バイオ5」のミサイル施設に転がってるゾンビを演じてほしいとずっと思ってた。
⑦中国雑技団をスクリーンで見たい。
⑧ドイツ語の勉強中。
⑨ゲームのバイオの中でも、「リベ2」のストーリーが素晴らしいと思う(これネタバレ?)。
⑩3時間くらい時間を潰したいけど、カフェが悉く埋まってる。
良かった点は、アメリカ人が絡むシーン以外、ドイツ語というリアルさ。言語の力って映画で大きいと思います。
あとカメラワークが独特。このカメラワークに引き込まれて、うぎゃってなったり、考えさせられたり。
私はよくわからんかったのでネタバレブログで内容を補完しましたが、それによると、オリジナルが公開された当時、「一人では見ないで下さい」というよくある宣伝文句が使われたそうです。
私は今作、一人で見たほうがいいと思います(笑)
原作に忠実な魔女映画
本作品、公開当時見た者として楽しみにしていましたと言うと同時によくリメイクしたね、その覚悟と勇気にまずは、敬意を出して、見に行ってきました。
まずは、本作品の率直な感想から、賛否両論があると思いますが、私としては、リメイクと言うかリブート作品として、良く出来ていると思いました。
1977年版が1時30分に対して、本作品は1時間も長い作品になっています。
もう少し無駄なシーンを削れば良かったかな・・・・
また、本来本作のテーマである「魔女」と言う部分では、本作品の方が強く描かれていて、本作品にしっかりとした「原作」があるのなら、本作品は、原作通りに作り、アルジェント版の方は、原作を基に脚色してホラーを色を強くした作品かな、また、アルジェント監督作品の方は、ダイジェスト版だったと言うべきか・・・・
アルジェント版が、ホラーで、本作品が魔女映画として捉えた方がいいのかもね。
「魔女」が本格的にテーマな作品だとしたら、日本人には理解し難よな・・・・
私としては、両作品が別の映画として捉え、両作品とも好きだけどね、また、アルジェント版のヒロインのジェシカ・ハーパーがゲストで出てきた時は嬉しかったな、アルジェント版の「サスペリア」は、内容がどうのこうのではなく、ゴブリンの音楽と、冒頭の雨の空港のシーンから見ている観客のボルテージを上げて、あの世界観に引きずり込まれるんだけど、本作品は、本当に別作品として、ルカ・グァダニーノ監督の新しい作品として捉えた方が十分に楽しめるね。
しかし、こんなにワクワクしてして映画を見に行ったのも久しぶりだ。
超難解血深泥暗黒舞踏。ダンスは凄い
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