劇場公開日 2019年1月25日

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「果てなき迷宮に翻弄される愉楽」サスペリア AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0果てなき迷宮に翻弄される愉楽

2019年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

オリジナルの舞台は、血をイメージさせる鮮烈な赤の内装の建物だったが、今作ではそれが再現されず、古風ではあるが平凡なインテリアだったのが残念。その代わりか、終盤の群舞での紐ビキニ風衣装に血の赤が引き継がれている。

ダコタ・ジョンソンにはあまり魅力を感じないが、本作でのダンスは力強く、良いパフォーマンスだった。クロエ・グレース・モレッツの起用法はもったいない。「キック・アス」で動けるのは実証済みなのだから、彼女にもダンスの見せ場を作ってあげたらよかったのに。ティルダ・スウィントンはさすがの存在感。振り付けの演技も説得力があり、超然とした佇まいから放たれるカリスマ性が闇の力の強大さを感じさせる。

終盤の修羅場は見事の一言。全体としては迷宮に入り込んでいく面白さもあるが、話を少々複雑にし過ぎたか。

高森 郁哉