メアリーの総てのレビュー・感想・評価
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なんともむずかしいラスト
エル・ファニングは可愛いな、で感想が終わっては勿体ないが、なんというかこの物語の男たちは何ともろくでもないというか...まあろくでなしに引っかかり、振り回され、絶望の果てにでないと「フランケンシュタイン」は生まれなかったという展開であるので、致し方はあるまい。
しかし...なんというか、(多分に脚色はあるだろうが)実話に基づいてあのラストに至るのが、映画的には何かが足りないかなあと思ってしまった。えっそれでいいの、みたいな。しかしそれは「私だったら納得しない」なので、中々解釈としては難しい。あれで感動するという展開もあるのだろう。
個人的にはちょっと中途半端かなぁと。
あと前半が間延びしてて後半が拙速な感じは受けた。
エル・ファニングはかわいいだけでなく影があり、昏い強さが感じられてよかったと思います。彼女がこの映画を支えている。
でも上流階級なんだよな
色々な苦難や挫折の上で生まれたフランケン・・・・
しかし彼らは働いてないし、少し書いた程度で暮らしていける?
あの状態で苦しみなら下級の階級の人々はと思ってしまう
これ一作で一生暮らせて行けたのだろうか・・・・な。
綺麗な映像でそれなりに面白かったけどそんな風に思ってしまいました。
面白い
係累を絶たれた女性が生きるには辛すぎる時代で、一瞬だけ出てくる先妻の娘さんや、義姉妹のクレアのその後がとても心配になった。というかクレア役は「マイ・プレシャス・リスト」が素晴らしかったベル・パウリーだった。不憫な役だが、メアリーの小説の最初の理解者となるシーンがとても良かった。
メアリーは子を失い夫に裏切られ、深い絶望にあったからこそフランケンシュタインの物語を生み出すことができた、ということなのだろうか。
男女の話しとしてみると…
クズ男と世間知らず女のしょうもない人生論、だと思うんだけど女性の自立も叫ばれてない時代と思うと感心する話になるな。
と、いうかフランケンシュタインやドラキュラの原作者を考えた事は一度もなかった。古典名作すぎるから。それが女性原作者と知って驚き。波乱万丈の人生の果てに生まれた作品、ということにも目点になった。
久しぶりにキレイな映画
フランケンシュタインな映画だというし、少し怪奇な味付けで創作話をするのだろうと、あまり期待していなかったのだけれど。
ノックアウト。とてもココロを動かされました。
多分脚本が良く練られてるのでしょう。すごく無駄がないセリフに無駄のない展開で飽きる暇がない。
画も品が良くて見せすぎず、エルファニングはずっと美しい。
エンドロールまできて、音楽も秀逸だったことに気づいてみたり
総じて評価しようと思ったら「キレイだ」とそんな言葉になりました。
エル・ファニング!!
とにかくメアリーが母親の墓石にもたれかかってノートと鉛筆を手にしているメインビジュアルにやられた。今からちょうど200年前の1818年に出版された「フランケンシュタイン」の作者メアリー・シェリーの伝記映画である。この映画が埼玉では新都心のMOVIXでしか上映されていないことがそもそもおかしい。19世紀の初頭であるから夜の室内の灯りは基本ロウソクで、画面の半分が黒くつぶれていたりする。でもそれが映画なのだ。多分一般受けしないだろう、という理由で幾多のシネコンはこの映画を買わないのだろうが、多様性こそがシネコンの存在価値では無いのか。とにかくメアリー役のエル・ファニングが同世代の等身大の役柄を演じていて素晴らしい。可愛く毅然としていて美しく自由で過激。女性監督が撮った女性のための映画なのだが、自堕落な二人の詩人バイロン卿とパーシー・シェリーが退廃的で良い。しかも「吸血鬼」がまさに同時代の仲間によって書かれていたとは!
怪物を生んで救われた少女
どっぷりとメアリーの世界に浸って見入ってしまった
言葉に囲まれて育った少女が、孤独と絶望の淵に立った時、自ら生み出した言葉に救われていく
彼女の人生から伝わってくる切なさと、静かな感動に包まれた作品
この作品は、18歳で「フランケンシュタイン」を執筆したメアリー・シェリーの実話を描いた作品
若くて奔放で、妻子持ちの詩人パーシー・シェリーと恋に落ちたメアリー
しかし、メアリーの父も妻が二人いたことから、恋愛は自由なものだと信じてメアリーはパーシーと駆け落ち
しかし、そこから彼女に様々な悲劇が押し寄せる
「フランケンシュタイン」と言えば、フランケンシュタイン博士が作った怪物
怪物は博士の愛情を求めるけれど、怪物を作ってしまった博士は、その思いを拒絶
そこから、怪物は孤独と絶望の中を生きることになる
この映画を観て思ったのは、
そんなフランケンシュタインは、メアリーの内面を形にしているということ
その「フランケンシュタイン」を執筆した当時のメアリーは、母を知らないために親の愛情を受けられず、恋人のパーシーからも見捨てられ、孤独と絶望の中を生きていた
その中で「死んだカエルを生き返らせる」というマジシャンの演目に心を奪われ、怪奇小説「フランケンシュタイン」が誕生する
18歳という若さで、メアリーは絶望を感じる孤独の中にいた
もう、それだけで、この物語は悲しくて切ない
それも、全てパーシーという遊び人と出会ったことが運の尽きだけれど
でも、もしも彼女が、パーシーと出会っていなかったら、私たちはフランケンシュタインを知ることがなかったのだから、それはとても皮肉なことだし、それが彼女の運命だったと思ってしまう
しかし、そんな彼女の絶望も、彼女の心の中にある言葉がフランケンシュタインという怪物を生み出すことで救われていく
画家は絵を描き、歌手は歌うことで自らの人生を救うように
作家は、自らの言葉で自分自身を救うんだなと思った
そう思うと、
メアリーが作家の家に生まれたのも、母は彼女を産んで亡くなったのも、詩人と恋に落ちたのも、そこから様々な悲劇に見舞われるのも
その全てが、彼女に定められた運命だったのだろう
フランケンシュタイン博士が生んだ怪物に、彼女の全人生が込められているからこそ、出版から180年以上経った今も、多くの人に愛される作品なんだと思う
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