劇場公開日 2018年12月15日

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「作者に想いを馳せる」メアリーの総て うむぼんずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0作者に想いを馳せる

2020年5月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWにて、前知識なく視聴。
テーマは「選択と責任」かな…。
暗い画面の中の小道具や衣装、本の装飾など細かいところにこだわりを感じる。スコットランドの自然も美しく、映像美で魅せる。
全編的に静かに物語は進み、死への直接的な表現や感情的な言い合いなどはなく、淡々と進む。ドラマティックなストーリー展開を望む人には受け入れづらいかも。(途中、ちょっとウトウトした…)

精神の孤独によって言葉は洗練され、届ける相手を探すように筆を進める。
シェリーと一緒に行くことを選択したメアリーには、全てをシェリーのせいにすることはできない。クレアを連れて行く選択をする際の間も、クララを抱いて雨の夜に出て行くか迷う間も、メアリーが選択したことを意味しているのか。

相手や環境のせいではなく、自分の選択により今がある。
だから「女性だから」という理由で出版できないことはメアリーにとっては負けたくないこと。だから物語中、唯一シェリーに声を荒げたのか。

自分の選択に責任を持たなきゃいけない。ということを思い出すために数年に一度はまた観たい。
あと「フランケンシュタイン」読みたい。

以下、印象的なセリフ。
「読者がいなけりゃ思想はただの言葉だ」
「不満はないのに気持ちは焦る、自分の夢に近づいているのか」
「家族が健康で幸せなら人生は満たされるのか」
「選択には必ず責任が伴う」
「女は死や裏切りや喪失とは無縁とでも?」

うむぼんず