「孤独と絶望が生んだ怪物と闘った少女」メアリーの総て bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独と絶望が生んだ怪物と闘った少女
監督さん、サウジの女性なんですね。あらゆる点で納得。女性が権利を主張出来ない、生き辛いイスラムの女性の心の叫び、って側面もあったんですね。綺麗で詩的な台詞が良かったのと、救いのあるラストでホッとした。
怪物として生まれる者は居ない。孤独と絶望が怪物を創り出す。メアリーは最後に救われ、作中のフランケンシュタインは絶望のうちに北海に消える。最後のナレーションの意図は、メアリー・シェリーになった彼女の心の中の怪物が消えた事の象徴。深いとは思うが、何を指しての事なのかが、ちょっぴり難解です。
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1/21 追記
ウーマンリブ。今は聞かなくなった言葉ですが映画の主題を考える時、この言葉が一番しっくり来るかなぁ。
バイロン卿は重要な役割を担っていました。メアリーとの別れのやり取りの場面。バイロン卿はメアリーの両目を隠し、自らも目隠し。そして目隠しした手を動かしながら、こういいます。
Always see
字幕は「視野を広く」でしたが、ここはそのまま「常に目を開いて」だと思う。我々は時に盲となる。何かに目隠しをされる。君の目を塞ぐものは何かな? と言う辛辣な指摘であり、それと闘えと言う意味もあったか。
バイロンは酒欲に、メアリーはパーシーへの愛が目隠しに相当しているのだと思う。バイロン卿は女性の能力に疑義を持っています。女は愛憎から逃れられない、と考えていたのでしょう。
メアリーは自らの愛と憎悪が生み出した、孤独と絶望のモンスターを物語にする事で、全てを超越する。いや、現実がどうだったかは知らないが。
バイロン卿の「天井桟敷の吟遊詩人」感が、イカしてた。俺は、あんな人生イヤだし、友達としてもお断りだが、あのいかれ具合は好き。