「エル・ファニングを起用できた幸運」メアリーの総て AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
エル・ファニングを起用できた幸運
メアリーが第一子を出産し結婚したのが18歳、本作の撮影開始時(2016年2月)にエル・ファニングが17歳。役との実年齢の近さを含め、無垢な美しさをまとった少女から意志と覚悟を感じさせる凛とした気品を伴う大人の女性へと日々成長するタイミングで、彼女をキャスティングできたことは製作陣にとっても観客にとっても幸運だった。第三子まですべて幼いうちに失うというメアリーの悲劇性を、エルの透明感ある儚げな美貌が際立たせる。
メアリーを襲った数々の不運と困難、そして「ディオダディ荘の怪奇談義」として知られる別荘滞在時の出来事など、彼女が「フランケンシュタイン」を着想し執筆した背景と経緯がドラマチックに描かれる点も大いに興味をそそられた。サウジアラビア出身の女性映画監督、ハイファ・アル=マンスールによるフェミニズムの視点も作品に奥行きを与えている。
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