「"懐かしいから感動的"だけど、"知ってるからつまらない"というのが共存」ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
"懐かしいから感動的"だけど、"知ってるからつまらない"というのが共存
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ロジャー・フェデラーが現われる前の、男子テニス黄金期を象徴する2人の映画である。ジミー・コナーズが脇役になってしまうのは仕方ない。
個人的には、"未知のエンディング"を映画に期待しているので、オチを知っている"歴史映画"は苦手である。本作は、"懐かしいから感動的"という面と、"知ってるからつまらない"というのが共存している。ハリウッドらしい、本人と見紛うばかりのスーパーリアリティ再現には感心するばかり。
ビヨン・ボルグが史上初の ウィンブルドン5連覇を掛けた決勝戦に、悪童ジョン・マッケンローが挑戦し、繰り広げられる死闘という"史実"こそが、この映画の盛り上がりである。
それ以外にこれといった起伏は少なく、やっぱりこの時代をフラッシュバックできる世代こそ共感できる。一方で、ドラマは"悲劇があってこそドラマ"なので、この時代を知らない映画ファンの眼には、どう映るのだろう。
映画化ネタ切れ感だけが頭をよぎる、なんともいえない後味。
(2018/9/1/TOHOシネマズ日比谷/シネスコ/字幕:アンゼたかし)
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