劇場公開日 2018年11月30日

  • 予告編を見る

「生みの苦しみを視覚化」Merry Christmas! ロンドンに奇跡を起こした男 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生みの苦しみを視覚化

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ディケンズが『クリスマス・キャロル』を書き上げるまでの葛藤を描いた作品。
邦題から、もしもファンタジーだと思って観に行くと、違うので期待外れになる可能性はあるものの。

舞台である1843年のロンドン、その豪華なセットや小道具などに目を奪われつつ。

作家がもがき苦しむ様(デフォルメしてますが)を視覚化し、それと同時に幾層にも重ねた伏線の回収につながる脚本の美しさに関心しました。
また、それを体現した配役にも関心。
主演のスティーヴンス、助演のプラマー両名の表情、演技がたまりません。

テンションが上がったり下がったり、小説の世界に入り込みすぎて虚構と現実の境目が分からなくなったり、家族や友人を傷つけたり…

ただ、この「生みの苦しみ」って、創作にかかわったことのない一般人には理解しにくいかもしれない。
周りから見たら、はた迷惑で、近くにいたくない人だからなぁ。

『クリスマス・キャロル』を知ってた方が面白いです(知らないと半減するかも)。
そのため、個人的には大好きですが、この作品のいいところは人に伝えにくいし、万人に勧めにくいなと思いました。

コメントする
コージィ日本犬