劇場公開日 2018年9月21日

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「ジブリの魂を継ぐ者」若おかみは小学生! かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ジブリの魂を継ぐ者

2024年4月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

萌える

原作は同名の児童文学。
ジブリ企画の『那須 アンダルシアの夏』で宮崎駿から直々に指名された高坂希太郎が監督。

【ストーリー】
主人公・おっこは小学六年生。
交通事故で生死の境をさまよった後遺症で、霊や妖怪が見える「霊界通信力」を持つようになる。
両親をなくしたおっこを引きとったのは、温泉旅館"春の屋"を営む祖母の峰子。
凛とした心根の峰子のもと、中居としてはたらくおっこ。
事故からの転居に霊界通信力のめざめ、接客労働、転校という環境の変化にも、おっこは持ち前の馬力とほがらかさで乗りきってゆくが、ときおり原因不明の呼吸困難におそわれる。

視聴された方はご存知でしょうがこの映画、非常によく出来てます。
それもそのはず高坂希太郎、発注されてジブリのスタジオで仕事していたら、宮崎駿がそれを見て「絵が抜群に上手い」と太鼓判を押したアニメーターです。
『那須 アンダルシアの夏』ではインタビュー中ずっと自転車の話してましたが、なんでだか上坂監督アスリートみたいに速くて入賞とかしちゃってる人。あれ?SHIROBAKOにそんなキャラいたような……。
とことんやるこだわり派だから、きっと宮崎監督も認めたのでしょう。
自転車って宇宙で一番描くの難しいから、企画押しつけられてめちゃくちゃ嫌だったそうですが。
当時CGもあんまり普及してなかったし、ほぼ手描きはしんどすぎる……。
スズキハスラーのアニメCMも、この高坂監督ですよ。
あの軽快なリズムの曲、メッセンジャーってバンドの『That's The Way A Woman Is 気になる女の子』っていうんですね、今知りました。

テレビアニメも放送されましたが、ストーリーは劇場版オリジナル。
この作品単体で完結してます。
作画もいいんですが、すごいのがおっこの事故の記憶を巡る構成と演出。
子供なんか怖がってしまいそうな、ホラーちっくなカット割されてます。
新海誠も「幾度も笑わされ、幾度も泣かされました」と絶賛。
高坂監督は別にジブリの所属じゃないんですけど、長くジブリと仕事をした人。
宮崎駿の一番弟子なんて言われたそうですが、実際にジブリ生え抜きアニメーターと比べても、作品や演出の理解は頭ひとつ抜けてます。
ジブリの次世代を嘱望されたアニメーターたちはついつい宮崎駿の方向に行きがちなんですが、そっちにいっちゃうとフォロワーとしか見られないし、どれだけハイクオリティに作ってもミニ宮崎作品にしかならない。
このあたりは庵野秀明も指摘してます。
比して高坂希太郎ですが、ジブリ風でない絵もぜんぜん描けて演出もしっかりしている。
宮崎駿の薫陶を受けた中で、宮崎駿なんて追いかける必要ないんですよ、ということを世に知らしめられる数少ないアニメーターなんですね。
監督作品も数少ないのが、残念ですが。

高坂監督、そろそろ次の作品もおねがいします。

かせさん
Mさんのコメント
2024年4月11日

最初、絵柄が苦手で、なかなか見る気がしませんでした。
でも、見てみると、とてもよい作品でしたね。

M
CBさんのコメント
2024年4月9日

この監督について、しっかり教えてくれて、ありがとうございました!!!

CB
CBさんのコメント
2024年4月9日

たしかに次、観たいですね!!

CB
たなかなかなかさんのコメント
2024年4月8日

かせさんさん、コメントありがとうございます♪

めちゃくちゃ良い映画なのでもっと知られていてもよいと思うのですが、やはりこの絵柄だと敬遠してしまいますよね…😅

たなかなかなか