騙し絵の牙のレビュー・感想・評価
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シンプルに面白かった!
先の読めない展開が続き、見事に騙されました。
登場人物みんな曲者揃い、それぞれに策略や情熱を持って動くけど、あいつの方が一枚上手…の連続で、誰が最後に勝つのか最後の最後まで分からず、2時間たっぷり楽しめました。
出版業界の権力闘争を主軸に置き、取材を積み重ねて表現する業界の今のリアリティさもありながら、しっかりエンターテイメントとして面白く楽しい作品になっているのが良かったです。
原作からかなり改変されたそうなので、ラストの逆転劇も映画版オリジナルのようですが、なるほどなと思いつつも、ここだけファンタジーにも感じてしまい、他がリアルで説得力があっただけに、ちょっとだけ残念。
でも総合的には満足度の高い娯楽作品だと思います。シンプルに、面白かったです!
予告編の印象とは違って
1年観続けた予告編。やっと上映です。
それこそハードル上げすぎて、騙されちゃったかな?
出版業界といえば斜陽産業の代表だと個人的には思っている。その中でも小説がメインの出版社が舞台。そりゃ厳しいはず。
W主演の1人、松岡茉優ちゃん演じる高野は最初は小説雑誌の編集にいたんだけど、問題を起こして総務に移動になる。そこにもう1人の主役、大泉洋演じる速水がカルチャー雑誌に引き抜く。そこから物語が展開していく。
チョコチョコ笑えるんだけど、基本は古い物差しと新しい価値観のぶつかり合いだった。宣伝ほど騙し合ってる感は無かったかな。
少し気になったのは、主役の2人が、優秀過ぎって事かな。周囲との衝突なんて気にもせず自分の信じる事に突き進む。かっこよすぎです。
スピーディーな展開であっと言う間にエンディング。楽しかった〜。
題材の難しさ
途中までドンドン盛り上がっていって面白いんだよね。色んな逆風の中で雑誌《TRINITY》をリニューアルして出して「やったぜ!」ってなるところはカタルシスあるの。
そこからドンデン、ドンデンってやってくんだけど、そこまで盛り上がらないのね。
「なんでかなあ」って思ったんだけど、雑誌・出版社・書店を盛り上げようってアイデアに無理があるんだと思ったの。
そもそも《TRINITY》は、今までは取り上げられなかった才能のある人を取り上げて、それでいこうよって話になってんのね。それで逆風きたときに「広告が全部なくなったとして、実売何部でいける?」って計算して15万部出して9割売ればいけますって。
なら、毎回15万部出して9割売れる雑誌作んなよ。でも無理だよね。才能のある人集めてきたら、その執筆料や取材費なんかかかりそうだし、そんなに才能のある人いないでしょ。
出版社はAmazonと提携して、雑誌をWeb化して生き残りはかるんだって、いや無理だろ。Webで雑誌読まないよ。
街の本屋は「この本屋でしか売ってない本」ってことで隠れた人気作家の新作を35,000円で売りますって、それ、何冊出せる?
「なんでこんなことになってしまうのか?」って考えたんだけど、これ、雑誌や書籍っていうメディアに才能ある人が集まってないからだなと思ったの。だから普通の人が「あっ!」と思って飛びつくような話にならないんじゃないかな。それで低迷してくんだろうな。
違う話になるんだけど、出版社の専務・常務はあんまりチャレンジしないんだよね。創業家はそこを飛び越えてやったっていう話で。
これ、創業者は、出版社がなかった状態を知ってるから、なにかあって潰れたとしても「あそこから、やり直せばいいや」って腹くくれると思うんだよね。でも専務・常務は、立派な出版社がある状態でそこに入社してるから、会社がなくなるなんてことは、想像すらできないんじゃないかな。
日本は色んなところで世襲をやっていて、「あそこに戻ればいいや」って思えるトップが減ってきてるから、思い切ったチャレンジがしづらくなってる気もしたよ。
エンドロール観てて「吉田大八、脚本に入ってるんだ」と思ったけど、監督だね。前半の観せ方のうまさとかさすがなんだけど、後半のモタツキはどうすることもできなかったな。原作というか、原作で選ばれた業界の限界だって気がしたよ。
役者の力
面白かった。
内容はそこまでどんでん返し、というわけでも無く、予想できた物でしたが、役者さんの演技力が良く、楽しめました。
個人的には、予告がイマイチかなーと。
最近、予告が刺さらない作品が多くてねぇ。
出版業界の「アウトレイジ」
面白いのは確かだけど、どこが騙し合いなの?
【"守りに入ったら終わり。相手の裏の裏を読んで知恵を絞って、攻めろ!"ノンストップ"苛烈なビジネスタクティクス"ムービー。】
- 街中から、本屋がどんどん消えて行く昨今、ラストのあのシーンは、本好きには堪らない・・。-
■感想
・奇策を連発する中途入社の食えない編集長、速水(大泉洋)の"人たらし振り”に振り回される、心地好さ。
- 原作者が、速水の人物像を、大泉洋をイメージしてあてがきしただけあり、嵌まり具合が凄い。-
・タイトルに"騙し合い"とあるが、多少大仰だが、企業では会社内外問わず、あれ位の駆け引きは、日時茶飯事である。でないと、社内で生き残れません!。
まさに”馬の目を抜く”「薫風社」である。
負けた常務は、早々に退場する・・。
・豪華な俳優陣の効果的な起用方法にも、唸らされる。そして、それに応える俳優陣の姿。多数の登場人物の関係性を分かりやすく描く、脚本の力量の高さ。
・それまで、速水に良いように"利用"されていた新人編集者高野(松岡茉優)が、最後の最後に放った爽快な逆転満塁ホームラン。社の屋上で珈琲を叩きつける速水の姿。
ー 町の本屋に新風を吹き込んだね!高野さん! 快哉を送ったシーンである。ー
<現在の、苦境に喘ぐ出版業界を舞台にした、先の読めないノンストップビジネスタクティクスムービー。物語の全体構成、多数の役者陣の緩急含めた使い方など、流石、吉田大八監督である。>
うまく騙されました〜
どこから伏線が始まってるのかな、とかこの人は仕掛人?それとも騙されてる人?とか考えながら見てました。
出版社内のドタバタは、話が、社内勢力がどうなっていくのかシンプルに楽しめました。
ただ冒頭の、原稿読みながらデスクで電話取るだけでコーヒーをこぼすシーン、出版社じゃなくても会社員ならデスクで飲み物飲むならもう少し気をつけるものだし、あんなに簡単に書類、原稿をこぼす社会人ってあり得ないような、まるで昔の少女漫画ならあったシチュエーションかな??とやや脚本に冷めてました。
大事な大事な原稿じゃないの??と。
あとは、色々どんでん返しがあったりするものの、最後の終わり方がふわっとしたままだったのがすこーし残念でした。いや、全体的には悪くないし、★も4つは付けていいと思ったんですけど、
「うわ、そんな終わり方ー!最後にまたやられたー!!」って、もう一息騙されたかった(笑)
大泉さんの演技、雰囲気良いですね。役柄に合ってました。佐藤浩市さんも佐野さんも、ひとクセふたクセある役柄が上手くて、役者さん達の演技力は安心して楽しめました。
木村佳乃さん、相棒での頭のキレる役どころを彷彿とさせる、やはりキレるデキる女!というカッコ良さがありました!
高野さんが、原稿の数枚の内容から「何年代にそれが出来るのは何か所、そして次の条件に当てはまるのはどこ」と、謎解きする場面が圧巻でした。あの執念、分析力、そしてラストでさんざん皆を上手く騙してきた大泉さんを手玉に取った立ち振る舞いの華麗さ!見習いたいと思いました。
多少のツッコミ所はあるものの、気楽に楽しめる良作でした!
騙し合い?
ルクアのせい
尺が足りてないが伸ばすとそれはそれで退屈
原作を超えた良質のエンタメ作品
原作は読了済。
廃刊寸前の雑誌を立て直すために奔走する編集長・速水を描く。
出版業界の裏話的なエピソードは原作通りでそれなりに面白い。予告で言っていた「騙し合いバトル」という感じではない(原作を知っていたからそうではないことはわかっていたけど)。雑誌トリニティが部数を伸ばすためにどんな企画を立ち上げ、話題作りをしていくかが個人的に面白いところ。
出演者は豪華だし、話の展開もテンポがいい。原作で当て書きされていたくらいだから大泉洋のとぼけた感じもハマっていた。
でも原作を読んでいたのに、こんな話だっけ?という感覚がたびたび。そしてラスト。原作は違うものになっていて驚いた。でも不満はない。原作の結末にはそれほど驚かなかったので、むしろ映画の方がいいと思えるくらい。
原作がそれなりのページ量なので映画ではかなり削られた部分があって深みはなくなってしまっているのかもしれない。でも、エンタメ作品としてはスッキリしててよくなったんじゃないか。原作超えする映画も珍しい。
実質、松岡さんが主人公
映画単体としては、良い出来で面白い。
映画を先に観て、原作小説への導線を作るセールスプランとしては上手くまとまっている。
ただ、塩田作品ってより、大八作品って感じ。
大泉洋主演ではなく、松岡茉優とのW主人公っぽい仕上がり。
原作にあった速水(大泉洋)の過去や、小説に対する愛の部分がスッパリなくなったので、速水の魅力の「核」がなくなってしまっていた。
先見性はあるが、社のパワーゲームを操るちっぽけな男にキャラ変してないかな、という。
代わりに、原作小説では速水の単なるセフレの中堅女性編集者にすぎなかった高野が、若い新人編集者(松岡茉優)に変えられて、その背景を丁寧に描いていた。
実質松岡が主人公だよこれ。
原作を先に読んでいる人にはつらいだろう。
先に映画観てから小説を読めばよかったと、私は後悔したのでした。
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