「さながらマカロニウェスタンの用心棒」騙し絵の牙 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
さながらマカロニウェスタンの用心棒
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これほど手の込んだ裏があったとは、まさにタイトルに納得です。
いかにも現代の出版界の苦境の様をノンフィクションばりに描きます、創業一族と番頭さんたちの暗躍も妙にリアリティを感じます。バラエティ雑誌の売り上げ向上策も現実的で感心した。
原作の老舗出版社という舞台設定の上に練られた脚本で曲者揃いの豪華俳優陣が重みを添えて、軽妙な主人公とのミックスがいい味になりました。
アイドルがストーカー対策に3Dプリンターで護身用の拳銃を作っていたなんてエピソード、安倍さんの事件を知って観るとあながちフィクションとは言い切れない時代の怖さを感じます。
大泉洋さんを当て書きしたと言うだけあって、策略家で人たらしなのが嫌味にならないのは大泉さんだから成立するという思いも同感です。社長派と常務派を手玉に取る主人公は業界の流れ者、さながらマカロニウェスタンの用心棒にも思えてきます。
大泉さんレベルでも納得していたのですが部下の松岡茉優さんの方が師匠を越えていたと言うひねった落ちも絶妙でした。
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