「めぐみが素晴らしかった」止められるか、俺たちを SHさんの映画レビュー(感想・評価)
めぐみが素晴らしかった
昔の雰囲気を醸し出しつつ、在りし日の情熱を現代に蘇らせようという映像的な目論見を感じた。無理に完全な昭和の日本を作り出そうとせずに、今ある中で過去を再現しているような印象─ひょっとしたら半端とか時代考証での違和感などを覚えかねないけれど、個人的には当時の熱気をダイレクトに感じるような気がして、凄くハマった。
あの時代を描いた映画というのは、とかく暗くて陰湿なものを感じるけれど(─偏見かもしれないけれど…)、この作品に関しては非常に清々しいものを感じたし、不思議と心から楽しめたような気がする。
ピンク映画の制作現場を扱い、裸も絡みもたくさん出てくるけれど、映画製作の情熱しか感じなかった。
その最たる要因は、井浦新と門脇麦の演技と演出だと思った。彼女たちの演技一つ一つに喜怒哀楽をくすぐられた。
めぐみで始まりめぐみで終わるこの作品は、まさに門脇麦の代表作になるのだろう。素晴らしいの一言。
描かれていることがどこまで本当のことか分からない。でも全てに真実味があり、いいことも悪いことも網羅されている全ての事柄に、作り手の熱い愛情を見て取れた。
凄く面白くていい映画だなーと心底思った。
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