「木村カエラ」ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
木村カエラ
ショートアニメ3本の競作
『カニーニとカニーノ』
監督と脚本は『思い出のマーニー』『メアリと魔女の花』の米林宏昌
上映時間19分
粗筋
擬人化されたサワガニ
あとはリアル
両手はハサミじゃなくハサミは槍のように一本だけ別に持っている
激流に飲まれた父を探しに行く幼い兄妹
父と再会
出産を終えて母が帰ってくる
兄妹は親元から離れすでに自立した仲間たちの元に
感想
セリフのやり取りがほぼ名前だけ
明石家さんまの英会話みたい
本当に必要なコミュニケーションに豊富なボキャブラリーは必要ない
声の配役
カニーニに木村文乃
カニーノに鈴木梨央
『サムライエッグ』
監督と脚本は『ギブリーズ episode2』の百瀬義行
上映時間17分
粗筋
両親と一緒に関西から東京の府中に引っ越してきた小学生シュンは重度の卵アレルギー
治療は少しずつアレルギー成分を与え慣れさせ告白するものだった
ある日シュンは自宅マンションでうっかり卵黄入りのアイスを一口食べて激しいアレルギー反応を起こしてしまう大ピンチ
母も父も不在だった
感想
府中に溶け込もうとする息子の語尾の「じゃん」にダメ出しをする母が面白い
奈良のド田舎出身の尾野真千子が本領発揮
関西人って自分の言葉にプライド持ちすぎでうざい
プライドが高いこと自体それほど悪いことではないが他地域の言葉を見下す傾向が良くない
標準語を東京弁などというが実際は違う
標準語は地域地域でバラバラの言葉をなんとかしようと薩長中心の明治政府が人工的に作った言葉であり元々あった江戸の言葉とは違う
それくらいわかっているはずだがわからないふりをしている
皇室を返せという
嫌いだ
声の配役
卵アレルギーのシュンに篠原湊大
シュンのママに尾野真千子
シュンのパパに坂口健太郎
医者に坂口健太郎
『透明人間』
上映時間18分
監督と脚本は『思い出のマーニー』『メアリと魔女の花』で作画監督補佐を務めた山下明彦
粗筋
透明人間だが服を着ている
服を着ているのに誰も気づかない
なぜか盲目の老人と盲導犬と助けられた赤ん坊は認識した
感想
服を着ているのに一部を除いて誰も気づかれない透明人間
服を着ているのは鑑賞する側に対するわかりやすさという配慮だろう
声の配役
透明人間にオダギリジョー
盲目の男に田中泯
全体にジブリ系の絵が好き
躍動感がある
アニメが生きてる
脚本はいずれもいまいちでズシンとこないがそれでも良い
アニメで重要なのは実写ではなかなか表現しずらい自由でのびのびとしたアート的な映像
それはクリアしてる
エンディングテーマは木村カエラを抜擢
木村カエラは嫌いじゃない
むしろ好きな方
セブンティーンでモデルをしていた頃から好きだった
彼女のCDは全部買った
むしろファンだ
だからといって瑛太を妬ましいと思ったことはない
そういう好きではないのだ
肝心の歌のことだが自分が鈍感なためか彼女の歌詞はグサリとくるものはなく全体的にフワッとしている
それがこの作品集に合っている
木村カエラでしっくりときた
そういうことなんだ
それでもいいじゃないか