「☆☆☆☆ ひょっとしたら今年の邦画ベスト1が出たかも知れない! 原...」アイネクライネナハトムジーク 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆☆ ひょっとしたら今年の邦画ベスト1が出たかも知れない! 原...
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ひょっとしたら今年の邦画ベスト1が出たかも知れない!
原作読了済み。簡単に。
原作者自らがあとがきに書いていたが。元々、原作は歌手斉藤和義からの依頼で書かれた短編が発端との事。それを後に、数多くの登場人物を配し。原作者が得意とする、時間と空間を往き来する手法で書かれている。
但し、短編集だけに。多くのエピソードを集めてあり、(読者から見て)重要と思える何人かの人物は、途中から物語から居なくなり。他にも、映画を観ても分かる通りに。多くの人物達が、ボクシング戦を中心としての人間模様が様々に交差して行く。
その様な人間模様だが、(あくまでも原作を読んだ個人的な感想として)かなり無理のある人間交差に思えた。無理矢理と言うか寧ろ、都合が良過ぎる話だけに。フアンの人には申し訳ないが、独りよがりな原作だなあ〜…と。
映画は大筋では原作通りに進んで行くのだが。主演の2人と思える《佐藤》と《紗季》は、原作だと途中から居なくなる。
それだけに。映画は原作との細かい変更点があるのだが、これが実に巧妙だった。
《斎藤さん》を介して出逢う2人。
(この時に多部ちやんの映り込むタイミングが絶妙だった。)
10年後、再び《斎藤さん》の前で…そして。
この後の、原作には無い2人を見つめる優しい目線。
更には、新たなカップルの恋の始まりもやはり《斎藤さん》の前から。
この若いカップルに共通していたのは、2人共に【父親が嫌い】とゆう共通点。
そんな2人が心を通い合わせる事になる「あなた命知らずですね」作戦。
映画は、この作戦の順番を変える事で。2人の心の接近と共に、父親との確執の距離すら縮めていた。
耳が不自由な少年のエピソードは。原作だとリング上だが、観客席に変更されており無理がない。
そして、私が1番「やられた!」と思った変更点は。最後に映画オリジナルと思える、《佐藤》と《紗季》の場面。
「いいんですか?」
「駄目ですか?」
原作だと、お互いに1回しか言わなかったのでは?と思ったこの会話。
これを、ここまで素敵な言葉へと昇華させた脚本。
原作だと、前半部分に描かれる《藤間さん》の奥さんの本音を。この時の2人の幸せを祈るかの様に、この場面で使う等。この脚本は本当に凄い!…と。原作を読んでいたからこそ、素直に思ったものです。
まだまだ細かなところで、「うわ〜!そう来たか〜!」…と言ったところが有った気がするのですが。何分にも歳を取ってしまった為に、肝心の記憶力が( ;∀;)
近い内にもう一度観たい…いや、観ます!
森絵梨佳のブレイクは間違いないだろう…とゆう事実確認と共に。
2019年9月24日 TOHOシネマズ日本橋/スクリーン2