「イタリアも病んでいる」いつだってやめられる 闘う名誉教授たち odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
イタリアも病んでいる
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3作目になってハイテンションの過剰演出も控えめ、ようやく落ち着いた映画になりました。活躍の場の少なかった人文学者さんたちもオペラの舞台をもらって面目躍如でしたね。実際に遺跡の多いローマでは工事の中断もありがちだとか。大学や警察の上ばかり気にする狡猾な上司像、メディアも関心が薄くネットのブロガーが合法ドラッグの取り締まりに異論を挟むのも風刺なのでしょう、イタリアも病んでいるのは分かりました。
毒ガステロの危機とサスペンス感をもりあげたものの敵役もまた不遇の研究者というのは妙なこだわり、犯人に同情してしまうような描き方では一件落着のカタルシスもありませんし、不器用だけれど家族の為に頑張る夫に愛想尽かしして若い学者になびく妻というのも後味が悪いですね。
肝心のテロの方もやすやすと仕掛けがばれてしまうので緊迫感は今一つ、空調ダクトを塞いでしまったら暑くて異変に気付くでしょう、ウォーターサーバーも誰も水を飲んだ人がいないのでしょうか、こういうトリックが安直だと興ざめです。
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