ザ・プレイス 運命の交差点のレビュー・感想・評価
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普遍的な
己の欲望と引き換えに悪魔に魂を売りたくなるのが人間だと思うのですが、実際には行動に移さないし移せないのもまた人間です。この善悪は人類の普遍的なテーマなので、作品はありきたりな作りにせずに、観客に飽きさせない工夫が必要だったかもしれません。
わたしも、好きな方…
歳を重ねたせいか、最近 運命ってあるんだと
感じる今日この頃。
何であんな事があったのだろうと思っていた
事でさえ、あんな事があったから今があると
気づいたり。起こる出来事は全て噛み合って
いる。逆らえない、これが運命じゃないかしらと。
運命を変えたいならば、何かを犠牲にしなければ
変えられない。自分の運命を変える為には、犠牲になった人の運命も変えなければならない。
ただ一人の秘密の欲望だったはずが、じつは
全く関係ない人の運命にまで連載し、
まるでバケツリレーのように繋がって行く。
普段の生活をしていたら、全く思いも寄らぬ事を
考えさせられました。
運命という、不思議なサークル。
じつはわたしの運命も、誰かに変えられて
いたのかもしれないなあ(笑)なんて。
☆☆☆★★★ 〝悪魔との告解〟 人間の心の奥底に在る深層心理を描く...
☆☆☆★★★
〝悪魔との告解〟
人間の心の奥底に在る深層心理を描く。
世の中には。善があれば、悪もある。
《悪魔の囁き》に耳を貸してしまった者は【犯罪者】となる可能性がある。
その結果として他人に影響が出てしまい、さらなる犯罪の連鎖を生む事も。
しかし、一度は悪魔と〝契約〟を結んでしまった人の中でも。全ての人が犯罪を犯してしまう訳では無い。
だからこそ社会全体が。善と悪とのやじろべえの様な状態で、均等に保たれている…とも言える。
〝悪魔の囁き〟に耳を貸さなかった人が居るのは。常に心の中で善と悪とがせめぎ合っているから。
心の中の【天使=ANGEL】は監視している。
2019年4月10日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1
願いを叶えるために魂を売る人間の弱きことよ
これは実に味わい深い逸品だ。
舞台はイタリアの何処かにあるカフェ「ザ・プレイス」。主人公は一日中奥のテーブルに居座る謎の男。カメラはカフェから離れることはない。
男のもとには願いを叶えて欲しいという人たちが次々と訪れる。男は願いを叶える代償として残酷な提案をする。そのどれもが実行すれば重い罪となる。人の運命を弄ぶが如きこの男がデフォルメしているものは神なのか、悪魔なのか、それとも……
願いと代償の間でもがく人びとを見つめる男の眼差しは冷静なようであり、思いがけない展開に動揺しているようでもあり。そして複数の人々の運命が交錯し、完結していく。
それにしてもカフェで働く女は女神だったのだろうか。男を見つめ、対話し、人間らしい感情を吹き込んだ。彼女こそが奇跡の人だと思った。
演劇みたいな映画です
でも朝、昼、夜の時間の流れ、ウインドウ越しの町の風景は映画です。
会話と表情でその場面を想像したり、発言の裏や真実の見極め、などで楽しめます。
どう終わるのか、と思っていたらちょっと良い感じでした。
一人一人の運命は実は深いところで繋がっているのかもしれない。
頭でっかちの小説みたい
舞台は交差点にあるガラス張りのカフェ。窓際の同じ席に同じ男が座り続けている。食事をし、コーヒーを飲み、目の前に座る人物を相手に何やら契約を交わしている。混雑時も閑散時もそして閉店後も、男は同じように座っている。店はそれを容認しているようだ。男の正体は謎であるが、店の正体もまた謎である。
人々がどのようにして男の存在を知ったのか、契約条件は何なのか、男は店に金を払っているのかなど、観ているうちに疑問が次々に湧き上がってくる。しかしその疑問よりも、契約者の報告の方に物語の主眼が置かれていて、設定が理解できないままにストーリーが進んでいく。
それぞれの契約者の話はわかりやすい。契約者同士が絡み合うこともあるだろうとはすぐに想像がつく。実際にそういう風になる。しかし、だからどうした?という感想しか湧かない。契約者の望みが浅薄であり、成果も明白ではないこともあるが、契約者たちがそれぞれに本当にそれを望んでいるのかという点に疑問符がつくのが最大の原因である。
そのために教室での思考実験的な場面を見せられているかのような感覚を覚えてしまう。興味は男が神なのか、それとも別の何かなのかという点に絞られるが、それも判明しない。店そのものがどんな意味を持って存在したのかもはっきりせず、ウェイトレスの正体も不明である。
映画としてワクワクするかというと、それほどでもない。世界観に深みがあるかというと、そうでもない。男と契約者の会話はスリリングでそれなりに面白いが、それだけだ。作品に奥行きがないから、不明なところがあっても、もう一度見る気にはならない。学生が書いた頭でっかちの小説みたいな、そんな映画だった。
グリーンマイルを思い出したりした…。
そうあのジョン・コーフィーを思い出した。
人の心や未来が見えてしまう男の辛さをだ。
この主人公も疲れるだろうに…
何人かの相談者は救えても救えない人もいるわけで、
兎にも角にも本人が余りにも辛過ぎる。
しかし彼にはアンジェラがいた。
それにしても、僕も含めて自分の人生と対峙する時というのは少ない。
余りにも少な過ぎる。
その時のために訓練を怠らぬようにしよう。
怪物にエサをやっている
完全ワンシチュエーションの会話劇。
明確な答えを期待するのは拍子抜けに繋がるけれど、たしかな手応えと面白さに溢れる作品だった。
ガンの息子を救いたい父親、ポスターの美女と付き合いたい整備士、夫に愛されたい妻、息子とやり直したい警察官、美人になりたい女、父親が疎ましい売人、痴呆の夫を回復させたい老女、視力が欲しい盲目の男、神を感じたい修道女。
実に様々で個人的な欲望を持つ人々の声を聴きとめ、なかなか実行し難い任務を与えるカフェの男。
常に眉をひそめた表情が印象的。
はぐらかし方と話の進め方が非常に上手で、小気味好くも張り詰めた会話のキャッチボールが楽しかった。
彼ならどんな口喧嘩も勝てそうだな。
話が進むうちにいつの間にか依頼者たちがそれぞれ意識しないまますれ違い交わっていく過程が非常にスリリングだった。
不自然なほど繋がっていくけれど、なぜかそこに対してあまり引っかからなかった。
なるべくしてなった事とナチュラルに思える。
悲劇的な結末を迎える人も、望み通りに叶う人も、形は異なれど方向を変えられる人も、もしかしたら最初から何もしていなくても結果は変わらなかったのかもしれない。
一度自分の願いと向き合い、理不尽でも大きな犠牲を払うことが重要だったのかも。
その代償に被害を被る無関係の人が生まれるのも昔から世の常だったのかも。
分厚い手帳に何を書いているのか、どんな法則で任務が決まるのか、いつからそこに居ていつ帰っているのか、そもそも誰なのか、人間なのか天使的なものなのか。
彼に対する疑問は次々と湧いてくる。
やたらと胸を強調した店員の女も。
いったいなんなんだ二人とも。何をしているんだ。理屈ではわからないのに何なんだこの謎の納得感は。
きっと彼とのやり取りを依頼人たちは口外しないし、なんならその内忘れていくのかもしれない。
あの場所は噂話で広がるものでもないと思うので、ただなんとなく必要とする時に必要とする人が知るようになるんじゃないか。
私の欲が実現するなら、彼の言うことを聞いてしまうだろうか。分からない。
欲望という怪物はエサを前にすると時に暴走してしまうか怖い。
明るめのドラマチックなBGMがミスマッチで面白かった。最後のカメラワークも好き。
予告編以上のものでは無かった
私はこのおじいさんは天使か、そういう運命を託された人って感じで捉えましたけど、この人だけに見えている答えとか試練は理屈ではないのであんまり考えずに周りの振り回される人たちの表情を見ることだけに徹した方が良いのでは?
低予算でも面白い映画作るのは大変ですね
希望はそこにある。受け入れるかどうかは君次第だ。
ずっと店に居座っている男は、何者なのか。
「神を信じるか?」と問われれば「皆に1人いる。」と煙に巻く。
「お前は誰の味方だ?」と問われれば「俺の味方だ。」とそっけない。
まさか、ただのコンサルタントではあるまい。
まさか、ダンディな笑ウせぇるすまんでもあるまい。
まさか、お告げ師のたぐいでは馴染むまい。
まさか、神ってわけはあるまい。
ヒヤヒヤでギリギリでスレスレの要求を与え、いつのまにか絡み合って、なんとなく皆が納得してしまう。そんなスジに違和感を覚えるならしょうがないが、僕にはしっくりときた。こんな何者なのかわからない人間が、すぐ近くにいたっていいじゃないか、と思えた。
あのラスト、あれがいい。あれでこそ、あの女の存在が活きる。そう、あの女こそ何者なのだ?と。
ひとつ、隣のおじさんの感性がどうなっているのか、時たま声を上げて笑っていた。売人が怒っても、盲人が戸惑ったりしても、だ。そのセンスおかしくない?
幸せの代償
一日中カフェに居座るおじちゃんに願い事を言えば、叶えてくれる代わりに代償として殺人や強盗など大きな試練を乗り越えなきゃいけないって話。
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願い事はほんとに色々で整形するためのお金が欲しいだとかポスターの美女と付き合いたいだとか。主人公がを見て、神社とかのお参りの時、神様ってこんな呆れた顔してるのかなと(笑).
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舞台は、ザ・プレイスっていうカフェから一歩も出ない。だから『ギルティ』みたいに状況を自分で判断する必要がある。一つ一つの話が徐々に繋がっていくから面白い。
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ただ、BGMが良いっていう人もいるかもしれないけど私的にはちょっと不自然に感じた。今までちょっと怖い感じだったのに、急にメロドラマ風になってしまうのが気が抜けてしまう。これは好き嫌いによるかも。
最近はやりの変わった演出
話のやり取りだけで過ぎてゆく物語
最近はネットだけとか、電話だけとか、多い様な気がします
面白い設定で話が繋がっていくのですが、いかんせん起伏に欠ける
睡魔が・・・・
でも、もう一回見たいです
難しい。。見終わった後に考えるのがとても楽しかったです
難しくてなんととらえていいのかわからなかったのですが、飽きることなく最後まで楽しめました。
脚本の妙が光る、本当に興味深いお話。ワンシーンで展開していくのにだんだんと交錯する登場人物の関係がスリリングで、ぐいぐい引き込まれて、カメラワークと脚本の力が大きいと思いました。
内容は。。。わかりません。9人の悪の心と浄化をテーマにしつつ、結果も過程も根底も描かない、説明しないのでさっぱりわからない。でもそのわからないところがよかったです。
最近の何でもかんでも説明してしまうのはわかりやすいですが、自分で考える余白がなかったので、ああかもしれない、こうかもしれないと、見終わった後に考えるのがとても楽しかったです。
様々な想い
その場所は、人々の願いや、祈り、悩み、葛藤など様々な想いが語られるところだ。
多くの人が、多かれ少なかれ共感するところがあるのではないだろうか。
お金の問題から、親子の問題、神に関わる問題、ちょっとした恋愛感情や、到底治ると思えない病気、眼が見えるようになりたいといった奇跡しか考えられないものもある。
ただ、語られるものは、それぞれにとって切実で、願いを叶えるために、「その場所」の片隅に座る男から課される課題は、相当困難なものばかりだ。
その課題とどう向き合うのか。
男が序盤に話す言葉にヒントがあるように思う。
「人には信じるより強い力がある」
中には、奇跡的に願いが叶うものもいる。
集う人の中で課題が交錯してしまうものもいる。
しかし、課題と向き合う中で、悩みを受け入れ、別の道を見出すものや、自分の求めているものを再考して、再び立ち上がるものもいる。
運命とは何か。
ちょっとした事で変化することもあれば、地道な積み重ねが必要なものもあるだろう。
神を感じたいという修道女がいた。
「それぞれに神は一人だ」と男は言う。
そして、その課題は、人間にとって当たり前のようだが、実は一番奇跡的なことだ。
それに気付くか否かが問われているのか。
僕たちは、目の前の悩みや願いに気をとられ過ぎて、案外、重要なことに気が付いていないのかもしれない。
仮に盲目でも、自分の生きて行く道を照らすものが他にあるかもしれない。
自分の願いを叶えるために、多くの人を不幸にするのであれば、それを思い止まろうとする、自分の中にある、ごく当たり前の善良な気持ちに気が付くこともあるだろう。
男もちょっとした想いを叶えるようにしてエンディングを迎えるが、彼が求めていたものも実は、自分のささやかな願いを話す相手や、その人を守りたいという自らの気持ちだったのかもしれない。
心地よい余韻の残る作品だと思う。
???
状況が分からぬまま、物語が進行する。様々なシチュエーションがあるが、すべて登場人物の語りにより展開する。会話のみなので想像が掻き立てられ、そして訳が分からないまま観終わってしまった。解釈が無限にある作品。トークショーでは、「なるほど!」と膝を打つ解釈がたくさん聞けて、更に本作を楽しめるものとなった。
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