劇場公開日 2019年5月24日

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「専守防衛ってこんなに大変」空母いぶき Kensuke Sasakiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0専守防衛ってこんなに大変

2019年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

国防に関心あるなら一度観といていいんじゃない?ってのが正直な感想。
これを起点に国防や、ひいては憲法に対する議論が少しでも湧き上がるならいいことじゃないかと。

原作知らずに観ましたが、敵勢力の東亜連邦は、「あ、中国のことね」って勝手に脳内変換して観てました。報道されないだけで今もばんばん尖閣には中国船が入ってきてるわけで、これが見て見ぬふりしているうちに起きそうな現実だと、TV報道しか観ていない情報弱者でもなければ分かっていますので。
途中で第3勢力として中国が出てきたときはあれ~?となりましたが、こうでもしないとまともに公開もできないのが日本の言論の自由のなさってことなんでしょう。

冒頭から、日本の防衛体制、法整備、有事の国民への情報共有の在り方まで、様々なクエスチョンを投げかけ続ける展開が続きます。
特に専守防衛という綺麗ごとを守るのがいかに綱渡りで異常なことか、この映画を観たらわかる気がしました。「撃たれてから撃ち返す」というだけでも無理があるのに、あえてミサイルを捨て主砲を打ち込みにいく、など。劇中では自衛官の訓練の成果や機転でそれを成し遂げてくれて、描写も緊迫感がありそれなりに楽しく観れるのですが。
現在の日本の自衛隊は有事にこんなことしないといけないんだとしたら世界一の練度と度胸と装備が求められるし、現実そう上手くいくはずもないわけで。
海外の人が見たらどうなんだろう。日本の軍事関係は総理大臣まで含めて言うことが幼ないと鼻で笑われるんじゃないかと思うところはいくつもありますね。

個人的には西島英俊演じる司令官の冷徹な指揮と、「やれと言われればやります」で軽妙にウルトラCをやってのける自衛官たちでもった映画でしたが、現実にこれやらしちゃダメでしょって思いを強くしました。

Kensuke Sasaki