「羊頭狗肉」空母いぶき odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
羊頭狗肉
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手に汗握る戦争映画を期待していると見事にはぐらかされる、エンターテインメントでも戦さはご法度なら派手な戦闘シーンの予告など羊頭狗肉、詐欺ではないだろうか。映画の世界では相手が侵略してきたエイリアンや怪獣であったら自衛隊はためらうことなく攻撃し米国なら戦略核まで辞さないだろう。敵が国家ぐるみか軍部の暴走かは定かでないが明らかな武力侵攻なのだから憲法論議以前に迎え撃っても非は無いだろう、専守防衛を曲解していないか。往年の健さんの任侠モノのように耐えるだけ耐えてから敵を倒すカタルシスかと思いきや国連の仲裁が入って終わり、全面戦争にならなくて良かった、めでたしめでたしの顛末は何なのだろう。
製作者に9条堅持の警鐘、意図があったとしても設定が恣意的過ぎて逆効果にしかならないのではないかと不安になる。偶発的な戦争勃発の恐怖を描いた映画は多いしキューバ危機のような実例にも事欠かないのだから真面目に扱うのなら安易にコミックをいじるのではなく国際政治や軍事の専門家の知見を取り入れた危機設定で脚本を練って欲しかった。
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